2016.10.22

無垢材と集成材の違い。【No.1714】

先日の材木市場で仕入れた板が相模湖工房に届きました。今回はヤマザクラ材、セン材、アサダ材と国産材が多かったです。いつも通りに北米産のチェリー材も仕入れています。国産材の供給量が著しく減少している中で国産材の耳つきテーブル天板用の板を確保できたことは嬉しいですね。まだトラックから降ろしただけの状態で詳しくは見られていません。これから時間をかけて1枚1枚チェックしていきます。材木市場で見た様子だとヤマザクラ材は非常に良い板だと感じています。ただ、ヤマザクラ材は乾燥が難しいので注意が必要です。大きく割れたり、捻れたりする可能性が高いので焦らずじっくりと乾燥させていきます。

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さて、今日は無垢材と集成材の違いについて書きます。どちらも木を使うことに変わりありません。ただし、使う木の大きさに違いがあります。集成材は小さな木片を接着剤でつなぎ合わせて製作します。

無垢材の場合も接着剤を用いて板をはぎ合わせることをしています。しかし、無垢材の場合は幅方向に板をはぎ合わせるだけです。集成材は長さ方向にも板を継ぎ足して接着剤で固めています。

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こちらはタモ材のストレートカットテーブルです。6枚の板を幅方向にはぎ合わせてテーブル天板にしています。長さ方向に継ぎ足すことはしていません。例えば長さ1500mmのテーブル天板を製作する際は1500mm以上ある板を使用します。長さ750mmの板を2枚継ぎ足して使用することはしません。ここが無垢材と集成材の大きな違いになります。集成材は小さく切断された木片を長さ方向と幅方向ともに接着剤で接着しています。(柱などの場合は厚み方向も接着していますね。)

テーブル天板に限らず、無垢材を使用する場合は長さ方向に板を継ぎ足して接着することはほとんどありません。3mを超えるカウンター天板を製作する場合はそれ以上の長さがある板を使用します。3mを超えると長い板を探すのが大変になってきます。長さが長いというだけで価値が上がりますので、当然価格にも影響してきます。4mを超える板でまっすぐな板というのは本当に数が少ないです。ただ、飲食店のカウンター用などそうした板を製材して用意している材木屋さんもあります。

ソリウッドでは長さが長くなると天板裏でボルトを埋め込んでつなぐことがあります。一般のご家庭でそれほど長い物を納品することはほとんどありません。が、飲食店のカウンターや様々な施設のベンチなどでこうした加工をした家具を納品した実績があります。ボルトで接続する場合は多少の段差が出てしまうことがあります。なるべく段差が出ないように中にビスケットという部材をいれています。それでも手で触ると多少の段差を感じてしまうこともあります。

無垢材を長さ方向で接着剤を用いて接着しない理由は、木の構造的性質にあります。木(広葉樹)には導管というストロー状の組織が存在します。無数の導管が縦に並んでいます。木口(木材の横断面)には導管の切り口が並びます。ストローを縦に束ねて切断するのと同じような状況になります。なので、木口に接着剤を塗ってもどんどん導管の切り口からどんどん吸い込んでいってしまいます。結果、接着剤が効きません。単純に木口と木口を接着剤でつなぎ合わせるのは不可能です。接着剤の強度が昔に比べると格段に向上していますが、それでも木口と木口の接着には効きません。やはり、木口に導管の横断面が並んでいる構造が根本的に接着には向いていないんですね。

という視点で改めて集成材を見てみると…

長さ方向に接着されている箇所が幅方向に揃っていませんよね。文章で伝えるのは難しいのですが…集成材でも木口と木口の接着は期待できないので、その箇所を上下にずらして接着しています。木口と木口の接着だけでなく他の部分の接着でそれを補っている訳です。

と言うわけで今回は無垢材と集成材の違いについて書きました。接着剤の効きという視点から見てみると分かりやすいかなと思っています。

瑞木@相模湖

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