2016.10.16

経年変化が激しい樹種トップ3【No.1708】

無垢材テーブルの樹種を選ぶ際に、気にしておいたほうが良いのが経年による色味の変化です。材木屋さんや家具屋さんの間では経年変化という表現をしています。経年変化は、年月が経つにつれ、製品の品質・性能が変化することと定義できます。木材でいうと、品質が変化することはほとんどありません。ですので、木材に限っては表面の色味が時間が経つにつれ、変化していくことになります。色が変化する要因については様々あると考えられていますが、最も影響するとされているのが、光の中に含まれている紫外線です。木にはリグニンという成分があり、このリグリンが紫外線を吸収し、分解していきます。その過程で木材の色が変化していくといわれています。ですが、全ての樹種の木材が同じように色の変化していくかというと、そうではありません。樹種によっては、あまり色が変わらないものもありますし、元々の色からは想像出来ないほど変化するものもあります。

 

そこで今日はソリウッドでも定番として扱っており、多くの家具屋さんでも扱いがあるタモ材、ナラ(オーク)材、ウォールナット材、チェリー材、メープル材の中から変化の激しいトップ3を紹介します。

 

1. 淡いピンクがかった色味から濃いオレンジがかった茶褐色に変化するチェリー

最も色の変化が顕著なのが、チェリー材です。ソリウッドでは便宜上、チェリー材と呼んでいますが、他ではブラックチェリーといった表記をしていることがあります。ソリウッドで扱っているチェリー材もブラックチェリーと同じです。チェリー材は製材した当初淡いピンク色がかった色味をしています。オイルなどで仕上げると少し濃いめにはなりますが、淡さが残ります。チェリー材の場合、そのままにしておくと、色が濃く変化したことにびっくりするかもしれません。大体、6ヶ月ぐらいから色がつきはじめます。1年ぐらいが経つと、肉眼でもだいぶ色が変わったなとわかると思います。さらに3、4年経つとだいぶ濃いオレンジがかった茶色になります。最終的にはもう少し濃くなる場合もありますが、これ以上は劇的な変化ではなくなります。

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上の画像は、そこまで色が変化していないチェリー材の板です。実はこれは椅子の座面の裏側で、この面を下にしばらくの間置いてあったものです。実際には出来上がった当初はこれよりも淡く感じる板もあります。

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そして、こちらが同じ板の表面です。つまり、こちら側を上にして置いてあったということです。色が濃くなっていることがわかって頂けると思います。

2. こげ茶→赤茶に変化するウォールナット材

経年変化というと、チェリー材と同じように色が濃くなる傾向にある樹種が圧倒的に多いですが、ウォールナット材はその逆で色味としては、濃いこげ茶色から少しづつ色が抜けるような感じで赤茶がかってくるような変化をしていきます。ウォールナットはその濃い色味が人気の理由といえますが、出来た当初の色がずっと持続するわけではないことを予めご理頂きたいと思っています。色が少し薄れてきますが、時間の経ったウォールナットの色味も何ともいえない味わい深いものになります。

 

3. 白が強い淡褐色→黄色みがでてくるメープル材

最後に紹介するのは、メープル材です。家具の材としてはメジャーとまではいきませんが、わりとよく使われる材です。明るい材なので、北欧テイストの家具や、モダンなスタイリッシュな家具のイメージがあります。銀座にあるアップルストアの什器もメープル材が使われています。(おそらく無垢材ではなく、突き板のものだと思いますが)

 

出来た当初はかなり白っぽい色味になります。チェリーやウォールナットに比べると、明らかな変化というよりは徐々に変化していく気がします。しばらく経つと、少し黄色味が強くなり、全体としては色が濃くなる印象です。私も自宅でメープル材の家具を6年ほど使っていますが、購入当初にくらべるとだいぶ色味が変わってきたと感じます。よく使われる表現としては、たまねぎを炒めたあとのアメ色のような色味というのがあり、わりとしっくりきます。

 

経年変化については、他の家具との兼ね合いなど悩みのタネになりがちですが、あまり深く考えずに自然の成り行きと思い、天然素材ならでは特徴だと思って、色の変化を楽しんで頂ければと思います。どうしても色の変化が嫌だという場合は、着色塗装の家具などを選ぶのも手だと思います。

 

賢木@吉祥寺

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