2016.08.24

イタヤカエデ材を掘り下げてみる【No.1655】

ここ最近、イタヤカエデのテーブルについてお問い合わせを相次いで頂きました。無垢材の家具でもそこまでメジャーな樹種ではないので、初めて聞くという方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここ数年はウォールナット材やチェリー材といった濃いめの色味をもつ樹種が人気ではありますが、メープル材、トチ材、ブナ材など白〜クリーム色っぽい色味の材も需要はあります。その背景には、白を基調とした内装が一般的になってきたことが挙げられます。新築マンションの内装などとみてみても白っぽく塗装をしたフローリングが採用されているのをよく目にします。もう1つの要因として、白っぽい家具が人気の北欧家具のイメージが強いという点もあると考えます。北欧家具のイメージは、白とポップな組み合わせが強いです。実際に北欧家具に使われているのはヨーロッパ産のブナ材(ビーチ材)が主に使われています。先ほど挙げたメープル材やトチ材は北欧っぽい印象にはなりますが、メープル材は北米産、トチ材は国産の木材です。また、イタヤカエデ材はメープル材と同じ仲間ですが、イタヤカエデと表記のあるものは国産材であることが多いです。

イタヤカエデ材は数あるカエデ・モミジの仲間の中では珍しく大きく成長する木になります。そのため、家具などに使われるのはイタヤカエデぐらいです。その他のカエデやモミジの木は製材して板にして家具に使うほど大きく成長はしません。

イタヤカエデ材は丸太の中心に近い部分はピンク色から黄茶褐色をしています。樹皮に近い外側の部分は白〜クリーム色をしています。ですが、イタヤカエデ材の場合は個体差がわりとあります。ちなみにトチ材も個体によっての差は激しいです。

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以前製作してお届けしたイタヤカエデ材のテーブルです。仲間であるメープル材とは色味木目ともに違いがあり、独特な模様がでます。

イタヤカエデ材は耳がついた状態で流通することが多いです。ソリウッドで使っているイタヤカエデ材も材木市場に並んでいるものを購入してくることが多いです。材木市場では常に出品されているような木ではありませんが、珍しいというものでもありません。仕入れを担当しているスタッフは市場でよい状態のイタヤカエデ材が出品されていれば、競りに参加するように心がけています。イタヤカエデ材は、乾燥する工程で反りやねじれなど変形が激しい樹種でもあるので、乾燥には時間をかける場合が多いです。それでも、乾燥時にねじれが生じることが多いです。はじめのうちはねじりが出ることで購入した際にイメージしていた通りのテーブル天板にならず、残念に思うことがありましたが、今ではねじりが生じること前提で対応をしています。ねじれが出てしまった板が全く使い物にならないといったこともありません。うまく処理さえすれば、無事テーブル天板になります。

ねじれてしまった板をそのまま使おうとすると、ねじれた分だけ削って平面もだす必要があります。そうなるとねじれが強いと削らなければならない部分が多くなり、板の厚みが薄くなってしまいます。耳つきテーブルの場合、40mm程度の厚みをご希望される方が多いので、なるべく厚みが残るように、1枚の板を半分にカットして、それぞれ2枚を平面だしします。そうすると、1枚のときよりは削る部分が少なくなり、厚みも厚く仕上げることができます。

ですので、イタヤカエデ材のテーブルを製作する場合、天板は4枚はぎになることが多いです。その他の材だと2枚はぎで製作が可能な幅がある板でもイタヤカエデ材の場合は2枚の板をカットするので4枚はぎになるからです。

イタヤカエデ材はやすりでやすると、スベスベに仕上がるのが特徴です。特にオイルで仕上げるといつまでも触っていたくなるような手触りになります。木目は繊細で遠くからみると木目がはっきりみえない程度です。この繊細な木目と肌触りがイタヤカエデの人気の理由といってもよいと思います。

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見た目もすべすべ、実際に座った感触もスベスベです。

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