2016.05.31

耳つきテーブル板の仕入れの際に考えていること。【No.1570】

あっという間に5月も終わりですね。新緑の淡い緑色で綺麗だった山々もすでに濃い緑に包まれています。梅雨がきて気付いたら夏になっていることでしょう。ここしばらくは板の仕入れに行けてませんでした。ここ数ヶ月はすでに乾燥が終了している板の加工に力を入れていました。そちらの作業もある程度カタチになってきたので、また仕入れに行かなくてはなりません。すでに木の伐倒期間は過ぎていますので、新しい木が並ぶことは少ないですがそれでも市場にはたくさんの丸太や板が並びます。また、輸入材の場合は伐倒シーズンに切った丸太が日本に着く時期でもあります。正直に言うと仕入れの時期はそれほど重要ではありません。確かに冬の期間の方が割れが少なかったり、板にカビやシミが入りにくかったりはしますが…

シーズンオフは材木市場を訪れる人も少し減ります。なので、チャンスも拡がる訳ですね。ライバルが少ないと思いのほか安い価格でセリ落とすことができたりもします。私が主に狙っているのは耳つきで2枚はぎテーブル天板になる板です。だいたい幅が400から600ミリ程度の板が狙い目です。厚みは45から60ミリ程度。幅のある板は60ミリで製材されることが多いのでちょうど良いんです。50ミリで製材されていても仕上がりで40ミリ程度ですので問題はありません。昔は厚ければ厚いほうが良いという流れでした。しかし、今はあまりに厚い天板は敬遠されてしまいます。現在ソリウッドの耳つきテーブルは厚みが40から45ミリが主流です。お客様の求める厚みもだいたいこのぐらいですね。もっと薄いものを求めるお客様もいらっしゃいます。

なので、仕入れる際に厚みはそれほど気にしていません。あんまり薄いのはテーブル天板になりにくいので避けますが、ものによっては40ミリぐらいの板も仕入れる事があります。1番気にしているのは幅ですね。2枚はぎで850ミリ幅のテーブル天板になるものを最優先で仕入れます。長さもそれほどこだわりません。2メートルから3メートルくらいの長さの板が多いです。なので、このぐらいの長さがあれば充分なのです。中には2メートルに満たない板もあります。こうした板はリーズナブルな価格で仕入れることができます。デスクなどに使用できそうなら積極的に仕入れています。

さて、仕入れで1番大事なのはやっぱり木目です。どんな木目をしているのか。はぎ合わせにしたときにどんな木目になるのか。そんなことを考えながら選んでいます。材木市場では同じ丸太から製材された板をセットで仕入れることができます。同じ丸太から製材された板を共木(ともぎ)と呼びます。共木ではぎ合わせれば、色や木目の様子が似ているので統一感のある天板になります。さらに隣合っていた板2枚をはぎ合わせるとブックマッチといって、木目がほぼ左右対称になります。ブックマッチ天板は1枚板では味わうことができない独特の雰囲気を持っています。特にブックマッチにこだわっているわけではありません。しかし、ブックマッチにするのが2枚はぎ天板の魅力を最大限に引き出せる方法かなと思っています。ブックマッチで天板になる板は基本的にはブックマッチではぎ合わせるようにしています。

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ケヤキ材の2枚の共木板です。ブックマッチが可能な板なのでブックマッチではぎ合わせると良いでしょう。黒い線でカットしてはぎ合わせます。こちらの板は粗木取りと粗削りをした状態で吉祥寺ショールームに展示してあります。

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W1500×D850の天板になります。ブックマッチならではの木目が楽しめます。ケヤキは”広葉樹の王様”と呼ばれ日本を代表する樹木です。昔は無垢材と言えばケヤキみたいな雰囲気もありましたが、近年は人気があまりありません。”ケヤキが売れない”という事態が材木業界に拡がっています。ケヤキの人気低迷の理由にあげられのが和風過ぎるということです。確かに”和風”ではありますが、テカテカしないオイル仕上げで仕上げればそれほど和風にはなりません。黒く塗装した脚をつけるなどしたら最近のマンションダイニングに置いても全然違和感はないと思います。

瑞木@相模湖

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