2016.05.30

耳つきテーブル用の板が吉祥寺ショールームに並ぶまでの流れ。【No.1569】

吉祥寺ショールームでは耳つきテーブル用の板を展示しています。これらの板は粗木取りと粗削りをした状態で並べています。今日のブログエントリーでは耳つきテーブル用の板が吉祥寺ショールームまでに並ぶまでの流れを説明したいと思います。

耳つきテーブル用の板は材木市場で仕入れてきて時間を掛けて乾燥させたものです。製材されたばかりの板は水分をたくさん含んでいます。板の乾燥具合を測るのに含水率という数字を使います。製材されたばかりの板は含水率が50%から100%ぐらいの間になります。時には100%を超えることもあります。工房にもってきた時にはだいたい含水率が50%ぐらいになっています。こうした未乾燥材(生材)は、まず外に桟積みしておきます。板と板の間に桟木を挟んで重ねていきます。こうすると板と板の間に風が流れて水分が抜けていきます。桟積みしないで板を重ねておいておくとなかなか乾燥はしません。

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桟積みして自然にまかせて板を乾燥させることを天然乾燥と呼んでいます。樹種や厚みによっても違いますが、だいたい半年から1年ぐらいは天然乾燥をさせます。天然乾燥で含水率が20%台まで下がってくると乾燥庫に入れても大きな問題が起こることが少ないです。木材乾燥庫に入れて板を乾燥させることを人工乾燥と呼んでいます。木材乾燥庫は温度と湿度を管理して木材の乾燥を促す装置です。ソリウッドで導入している木材乾燥庫は低温乾燥庫と呼ばれるもので庫内の温度は45℃ぐらいに設定してあります。木材乾燥庫に入れて1ヶ月から2ヶ月経つと含水率が10%以下になります。含水率が何%になれば良いかという明確な基準はありません。ソリウッドでは10%以下になることを1つの基準にしています。

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乾燥庫から出した板は含水率計を当てて含水率を計測していきます。1枚の板で裏表それぞれ9箇所の含水率を測ります。平均が10%以下になっていればOKです。板の水分は端から抜けていきます。なので、板の中心部分は最後に水分が抜けていきます。1番重要なのは板の中心部分です。中心部分の水分が抜けていることが大事なんです。周辺部は含水率10%以下になっていても中心部は20%台ということもザラにあります。特にウォールナット材はこうした傾向があります。周辺部の水分はすぐに抜けて含水率が7%とか8%になるんですが、中はなかなか乾燥しません。

乾燥が終了した板は引き続き桟積みをして保管しておきます。乾燥庫から出した直後は含水率10%以下になっていますが、しばらく放置しておくと含水率12%ぐらいで落ち着きます。乾燥した板はいよいよ耳つきテーブル天板にするための加工をしていきます。機械に入らない大きさの板はチェーンソーで余分な部分をカットします。

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チェーンソーグッズは森の中でも目立つように派手な色になっている場合が多いです。特に多いのがオレンジ色。身につけるととっても派手になります。

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こちらはリッパーという機械です。縦切り専用の機械です。板の幅を粗く木取りのに使用します。中で刃物が回転しています。ベルトコンベアがついているので少し押してあげると後は自動的に板が送られていきます。長さと幅をある程度の大きさにカットしたら削っていきます。手押し鉋盤と自動鉋盤という機械で削って平面をだしていきます。

このようにして耳つきテーブル用の板を加工して吉祥寺ショールームに並べています。お店に並べてある板はさらに加工をする必要があるので、実際のサイズは少し小さくなります。サイズに関してはスタッフにお尋ねください。

瑞木@相模湖

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