2016.04.12

春と言えば桜。家具で桜と言えば、北米産のブラックチェリー材です。【No.1521】

今週の日曜日には木工教室の基礎クラスの新しいクラスがスタートします。おかげさまで定員に達しましたので、募集は締め切りさせてもらっています。募集締め切り後もお問い合わせを頂いています。次回の募集は10月スタートのクラスになる予定です。夏前頃には10月スタートクラスの募集を開始する予定になっています。詳細が決定したらソリウッドのWebサイト並びにこのブログでお知らせ致します。

木工教室のWebサイトの更新をだいぶ怠っていますが、生徒さんが完成させた作品の写真を徐々に更新しています。先日も応用クラスの生徒さんが素敵な作品を完成させました。

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チェリー材の丸テーブルです。ダイニングテーブルとして使用する高さにしています。直径1100mmで4人掛けにちょうど良い大きさです。自分で作るか、ソリウッドに注文するか悩んでいましたが、せっかくなので自分で作ろうということで製作を始めました。丸く抜く作業はスタッフが機械で加工しましたが、表面の仕上げは鉋を掛けて綺麗にしました。とっても綺麗に鉋が掛かっています。

チェリー材はソリウッドで人気No.1を争う樹種です。ここしばらくウォールナット材が人気No.1でしたが、ここ最近はチェリー材の方が受注数が多いように感じいます。チェリー材はその名からも分かるようにサクラの仲間です。ブラックチェリー、アメリカンチェリーなどとも呼ばれています。チェリーはアメリカやカナダの東部に生えている木です。

日本ではサクラと言うと、ソメイヨシノが有名です。しかし、ソメイヨシノは観賞用の木なので木材として利用されることはほとんどありません。日本国内に生えているサクラで木材利用されるのは、ヤマザクラです。ヤマザクラは色味が綺麗ですが、残念ながら流通量が多くありません。また、個体差が激しく良質なヤマザクラ材は本当に少ないです。目が粗いヤマザクラ材は乾燥中に大きく反りやネジレがでます。そのため、利用価値がそれほどありません。家具に使用できるのは目が詰まったヤマザクラ材ですが、最近は良質のヤマザクラ材を見る機会がとても減りました。

工房にもヤマザクラが1本生えています。ソメイヨシノよりも花が咲く時期が少し遅く今がちょうど満開です。ここ数日それほど気温が高くないせいかまだ花は散っていません。今日も見事に咲いていました。

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日本人にとっては良いイメージのサクラですが、国産のサクラ材は先ほど申した通り流通量が少ないです。そこで注目するのがアメリカ産のサクラ、ブラックチェリーです。

ブラックチェリー材は手触りも良好ですし、加工もしやすいので家具にするには最適な木材です。そして、ブラックチェリー材の最大の特徴は、経年による色変化です。最大の特徴であって、人気の秘訣でもあります。月日が経つと色がどんどん濃くなっていきます。製作したてのチェリー材は少しピンクがかったオレンジ色をしています。それがだんだん濃くなっていき、最終的には艶のある茶褐色になります。とても落ち着いた色で雰囲気もいいんですよ。

ソリウッドではチェリー材で耳つきテーブルもストレートカットテーブルも製作しています。耳つきテーブル用の板は材木市場で仕入れてきて、ソリウッドの乾燥機で乾燥させた板を使用しています。耳つきテーブル用の板は丸太のまま日本に輸入されてきて、日本の製材所で製材されています。その製材された板を仕入れて使用しています。

ストレートカットテーブル用の板はアメリカで製材、乾燥された板を使用しています。日本に輸入されてくる北米産の材木は最高グレードのものがほとんどです。ソリウッドで使用しているチェリー材も最高グレードのものです。特に30mm厚の天板にする板は質の高い板を生産するメーカーの板をまとめて仕入れています。冒頭で紹介した木工教室の生徒さんが制作した丸テーブルをこれらの板を使用しています。非常に綺麗な板ですよね。

アメリカは持続可能な林業が確立されています。計画的に伐採がされているので今後も安定した木材の供給ができる体制になっています。日本国内の林業、特に広葉樹林業においてはそういった体制が整っていません。日本国内から供給される広葉樹材はどんどん少なくなっていくでしょう。残念ではありますが、現状を考えるとこれは紛れもない事実です。ただ、日本での需要が増えればアメリカの木材も数が減ることも想像できます。今後どういう展開になるかは正直分かりませんが、北米産の木材はしばらくは安定して供給して頂けそうです。チェリー材もしばらくは安定しているでしょう。時間と共に落ち着いた色へと変化するチェリー材に囲まれて日々の時間を過ごす、とっても良いことだと思います。

瑞木@相模湖

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