2016.02.19

人工乾燥が難しいカエデを含む未乾燥材を乾燥庫に入れました。【No.1468】

いや〜、やってしまいました!

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積んである板を倒してしまいました。時々やってしまいますが、これをやると結構凹みます。直すのに意外と時間が掛かってしまいます。もちろん体力を大幅に使ってしまいます。まず1枚1枚にバラしてまた積み上げないといけなくなります。人工乾燥庫に入れた後の板は反ったり、捻れたりしています。なので積み上げているとバランスが悪くグラグラしている場合もあります。今回はフォークリフトでちょっと無理して高く積もうとしたんですが、爪を抜く時に爪を引っかけて倒してしまいまた。まあ、怪我しなくて良かったですが…テンションが下がったまま、積み直して1時間を無駄にしてしまいました。

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乾燥庫に新たに板を入れました。入れておいたウォールナット材が充分に乾燥していたのでそれらを出して、未乾燥材を入れました。今回はミズメ・カエデ・ウォールナットです。これらの樹種の中で1番注意しなければいけないのはカエデ材です。カエデは乾燥中に大きく動く板です。我々は”暴れる”なんて表現しますが、水分が抜けるのに応じて反ったり、捻れたりします。カエデ材はその反りや捻れがとっても大きく出る場合があるんです。今回は中程にカエデを配置しましたが、たとえ1番下で上にたくさん板を置いていたとしても動くんですね。なので、カエデはある程度諦めの気持ちをもって乾燥庫に入れています。反ったり、捻れたりした板は真ん中で割って使用するようにしています。なので、カエデ材は耳つきで4枚はぎぐらいでテーブル天板にしています。2枚はぎで天板になりそうな幅があっても、そのまま2枚はぎで天板にすることはなかなか出来ません。

ミズメはカバの仲間なので、乾燥の進みは早いです。ただ、反りには少し注意が必要です。天然乾燥で充分に水分を抜いておけばそれほど動くことはないと思います。今回は1年以上天然乾燥させた板なので、含水率は20%台まで下がっている板です。ただ、木目が激しいミズメの板なので動きが大きくなるかもしれませんね。

ウォールナット材も乾燥には少し注意が必要です。ウォールナットは白太(辺材)と赤身(心材)で乾燥進度が全然違います。どの板もある程度の差はありますが、ウォールナットはその差が顕著にでます。白太はかなり早く水分が抜けていきます。でも真ん中辺りの水分はなかなか抜けません。白太の含水率が10%を切っていても、赤身の含水率が25%ぐらいなんてこともザラにあります。乾燥庫に入れている状態だと、白太の含水率しか計測することができません。白太の含水率が低くなっているので、期待して取り出して心材の含水率を計測してガッカリして経験は1度や2度ではありませんよ。なので、ウォールナット材の場合はいくら白太が低含水率になっていてもあまり期待はしないようにしています。ちゃんと心材の含水率が10%以下になるまでじっくりと待つ必要があります。

このように樹種によって乾燥の感じが異なってきます。今回は乾燥が難しい樹種が多いですね。どうなることやら…

逆に乾燥で困ったことが起きにくい樹種もあります。トチ材やケヤキ材はスムーズに乾燥してくれる木材ですね。チェリー材やカバ材も比較的に楽に乾燥させることができます。こういった樹種ばかりだと有難いんですが… まあ、いろいろ有るから面白いってのもありますからね。

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板の乾燥具合を知る上で欠かせないのが木材水分計です。こちらの水分計はコンパクトで携帯性に長けているので使い勝手が良いです。ONボタンを押している間なら画面に含水率が表示されているという機能が付いていれば完璧なんですけどね…こういう機能がついていれば、桟積みした状態でも中の方の含水率が計測できるようになるんです。そうなればとっても作業効率が良くなります。メーカーに要望しようにもオーストリアのメーカーなようで、ちょっと無理ですね。

こんな感じで木材の乾燥にも力を入れているソリウッドならではの話題をしてみました。マニアックですけども。

瑞木@相模湖

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