2015.12.01

板をどう使うかで耳つきテーブルの表情が決まります。【No.1388】

いよいよ今年もあと1ヶ月です。来年へ向けて目標などを考える季節でもありますね。ソリウッドでは継続して耳つきテーブルの製作と販売の強化をしていきたいと考えています。耳つきテーブルという言葉がマイナーなため、まずは認知してもらうことが大切でしょう。そうなるとネット上の情報はとても有効です。このブログでも耳つきテーブルに関するエントリーをたくさん書いてきました。これからも耳つきテーブルについてのエントリーは書き続けていくことになります。

もう一つ、椅子の販売も強化していきたいですね。ソリウッドで取り扱っている椅子は上質でとても良い椅子です。なのに知名度がいまひとつのものも多いです。そうした椅子をもっとアピールして多くの人に届けたいと考えています。課題は山積みですが、一歩一歩確実に前に踏み出していきたいです。

お陰様で耳つきテーブルのオーダーを立て続けに頂いています。材種としては、ウォールナット、チェリー、タモといった感じです。まだ受注には至っていませんが、カバ材の耳つきテーブルの問い合わせを頂いています。

先日納品した耳つきテーブルを紹介します。
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ウォールナット材の耳つき2枚はぎテーブルです。同じ丸太の隣合った板を使用してブックマッチという手法ではぎ合わせています。本を開くのと同じようにしているので、木目がほぼ左右対称になっています。節も無く綺麗な天板に仕上がりました。でも、この板問題が無かった訳ではありません。天板にする際に短くカットして大きな節を取り除いています。

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こちらが元の板の状態です。両サイドから割れが入っていますし、大きな節もありました。別に節をそのまま活かして天板にすることも可能ですが、この板はそこそこの長さが節無しでとれそうだったのでそうしました。また、裏にウロといって腐って穴になっている部分もありました。そうしたちょっと気になる部分を取り除いてできるサイズの天板にしました。良い部分だけを活かすという考え方です。

木や板には節や割れなど人間からすると欠点と考える要素が必ず存在します。でも、節は木にとってはどうしても必要な物ですし、割れも乾燥中に入ってしまうのは仕方のないことです。なので、我々はそれらを活かして使用するのか、カットして取り除いて使用するのかを考えて使います。この考え方に製作者の個性が出ると思います。

このウォールナットの板は私が材木市場で仕入れてきたものです。節やウロがあることは確認できたので、それらを除いてテーブル天板になるサイズが確保できるのかを調べました。私の見方では充分に使用できると考えたのでセリ落としました。でも、節やウロがあるから仕入れるのは止めようと考えた方も居たと思います。使えない部分があるということそれだけ無駄が多いという訳です。

木取りの際にもいろいろ悩みました。長いまま節付きで使うか、短くして節をカットするか。私の選択は後者でした。もちろん長いまま使う方向で木取りすることも考慮しましたが、節をカットしてもそこそこの長さが残るので節をカットして綺麗な天板にしたほうが良いとの判断になりました。結果は正解だったと思います。

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こちらは吉祥寺ショールームに展示するために製作しているクリ材の耳つき2枚はぎ天板です。先ほど紹介したウォールナット材の天板と同じようにブックマッチではぎ合わせています。こちらの天板は節や割れがたくさん残っています。節や割れをカットしてしまうと短くなってテーブル天板にならないので、節や割れを活かして製作しています。割れの部分には合成樹脂を流し込んで埋めています。さらに天板の裏側にはチギリを埋めて割れが拡がらないように処置しています。こうした処置を面倒がらずに行えば天板として充分に使用することができます。こちらのクリ材の天板はもうまなくで全貌が明らかになります。個性的な天板で私自身としては気に入ってくれる方がいると信じていますが……

瑞木@相模湖

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