2015.11.19

家具作りに欠かせない名脇役【No.1376】

ソリウッドは無垢材を使った家具作りを専門にしている家具工房です。そういった意味で無垢材はなくてはならない主役といったところです。無垢材の中でも広葉樹をメインにしています。無垢材には、大きく分けて針葉樹と広葉樹にわけることが出来ます。針葉樹は木目がまっすぐで、建物の柱や梁など構造材に適しています。針葉樹の代表格は、杉やヒノキ、パイン材といったところです。これらの木材の表面は柔らかく、爪などを立てて押すと跡がつきます。家具としても使われることがありますが、やはり表面の柔らかさを考えると傷が沢山つくことは覚悟しなければなりません。一方、広葉樹は針葉樹に比べて木材組織が複雑なため硬さがあります。そのため、一部の例外を除き爪を立てても大きく凹むことはありません。そのため、丈夫で長く使える家具作りをコンセプトにしているソリウッドでは広葉樹を主に使用することにしています。取り扱っている主な木材は、ウォールナット材、ブラックチェリー材、タモ材、ナラ材、メープル材といったところです。最近では、北米やロシアからの輸入材が中心ですが、耳つき板などに使われるトチ材やケヤキ材といった国産材を使うこともあります。

これまで、ソリウッドの家具作りの主役である無垢材について簡単に書きましたが、実は今日のテーマは家具作りの脇役にスポットをあてたいと思います。ソリウッドの無垢材テーブルは、天板と脚が何度も外せるように設計しています。大きなテーブルだと天板と脚が外せないと建物の中にいれることが出来ない場合があります。バラバラにすることが出来れば、ほとんどのケースで搬入が可能になります。また、天板と脚を別々に運びいれて、宅内で天板と脚を接合することも可能ですが、その後引っ越しなどで外に出して、もう一度組み立てることが求められると何度もバラバラにすることが必要になります。木材を接合する際に、最も簡単な方法はネジやボルトなどの金具を用いることです。ただし、最もオーソドックスな木ネジを直接ねじ込むことが出来ますが、一度ねじ込んだものを外すと、やはり木材にダメージが残ります。何度も同じ場所に木ねじをねじ込み、外すと段々接合部分が弱くなります。そのため、木部をダメージから守ることが必要になります。そこで登場するのが、ボルトを受けることができる金具です。ソリウッドでは、天板の裏に「鬼目ナット」といわれる金具と使っています。木工の世界では「鬼目ナット」は有名な存在で「鬼目」など短縮して呼ばれることがあるほど浸透しています。実はこの「鬼目ナット」というのは木材接合に使う金具を製作、販売している株式会社ムラコシ精工の商標登録がされている商品名です。

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この金具が鬼目ナットです。これを予めサイズに合わせた下穴をあけた木材にねじ込んで使います。周りに爪のような突起がついています。この突起が木材に食い込んで固定されます。この突起が鬼の金棒のように見えるから鬼目ナットと名付けられたとの話もあります。ソリウッドでは、このサイズを主に使っていますが、大きさやカタチなど色々なバリエーションがあり、用途によって使い分けることができます。

鬼目ナットの活躍の場所はテーブルの天板と脚の接合部分だけにとどまりません。壁面などに設置する大きめの本棚や収納も搬入のことを考慮して分割して製作します。別々に搬入したユニットを接合するのにもこの鬼目ナットが活躍します。片方にこの鬼目ナットを埋め込み、もう一方にはボルトを通す穴をあけておきます。設置する際には、これまたムラコシ精工社さんのコネクタージョイントといわれる長めのボルトで固定します。

完成した際には目立たないところに隠れてしまう部品ですが、家具作りにはなくてはならない名脇役です。

賢木@吉祥寺

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