2015.09.17

耳つき板ビフォーアフター【No.1313】

ソリウッドの主力商品のひとつが耳つきテーブルです。耳つきテーブルという単語自体はなかなか聞きなれないと思います。無垢材家具などで、耳と呼んでいるのは、木の樹皮があった部分です。食ぱんの端の部分も耳と呼ばれますが、そんな感じで樹木の端部分、つまり樹皮の部分を耳と呼んでいます。樹皮そのものは、長い間そのままにしておくと、虫に喰われやすくなるので製材する段階、もしくは乾燥させる前に取り除いておきます。

ソリウッドで製作する耳つき板のほとんどは岐阜で行われている材木市で直接弊社スタッフが買い付けた板を使っています。材木市場では、丸太の状態と板に製材した状態の2つのパターンで競りが行われています。ソリウッドで仕入れる板は、すでに製材されて板となっているものがほとんどです。

市場ではこんな感じで並んでいます

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よくみると、濡れた足跡がついています。市場では木の板は商品ではありますが、その上を普通に歩いたりしています。ですので、靴の跡がついているなんてこともしょっちゅうあります。ここに置いてある板は乾燥前ですし、使う場合は削って使うので多少表面に汚れがついていても全く問題がありません。市場で競り落とした板はソリウッドの相模湖工房に運ばれます。乾燥の工程に入るまえに必ずするのが、樹皮の部分を落とすことです。長い間、樹皮をそのままにしておくと虫が入ってしまいます。この樹皮を落とす作業は手作業になります。鑿などを使って根気よく向き合う必要があります。

買ってきた板はまだ水を多く含んでいる場合が多いです。そのまま、人工乾燥機にいれてしまうと刺激が強すぎて、反りや割れ等が起こる原因になってしまいます。そこで、平積みしてある程度、乾くのを待ちます。大体、半年から1年はそのままにしておきます。

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乾燥が終わった板はこんな感じになっています。外に置いて置いておくうちに表面に汚れがついたり、紫外線による退色でグレーがかっています。元々の色味が明るいタモやナラ材でもこんな色になってしまいます。こういった状態で置いておいても木の質が変わるということではありません。

ソリウッドでは耳つきテーブルになる板の乾燥が終わると、合成写真を作成して準備OKの板としてホームページに情報を載せます。その際に、少しでも木目がわかるように表面を少し削ります。

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板を少し削った状態で写真撮影をして、テーブルになったときを想像しやすいように合成写真を作成します。上の写真はトチ材の2枚はぎ天板の合成写真です。真ん中の2カ所に三角形の節があるのがわかります。少し色が濃くなっている部分は削りきれてない部分になります。この段階では荒削りの状態なのでどうしても削りきれない部分が残ってしまいます。実際にテーブルになるとこのような模様がでることはありません。さて、この板を実際に天板にするとどのようになるでしょうか?

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お客様宅に納品したトチ材の2枚はぎテーブルです。全体のカタチは先ほどの合成写真と一致していると思います。先ほどの合成写真は塗装もしていない状態なので、完成した天板は艶がでて木目がより鮮明になります。トチ材特有のシワがよったような縮み杢の模様も出てきています。完成した天板のほうが表情豊かに見えると思います。

もう一つ、ビフォーアフターの事例を紹介します。

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こちらは乾燥が終わり、表面を荒削りした状態のカバ材の板です。合成写真を製作する元の状態の画像になります。大方のサイズを黒い線で描いてあります。こちらの2枚の板を加工するとこうなります。

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先ほどのトチ材同様、オイルを塗ると色味が濃くなり艶が出てきます。

加工前の写真から完成の姿を想像するのはなかなか難しいですが、板の状態よりキレイに仕上がるのは間違いないです。ウェブの写真だけで判断するのが不安な場合は、相模湖工房で実際の板を案内することも出来ます。実際の板をご覧になりたい場合は、まず見積り依頼をしてください。ご希望に応じて板をピックアップし見積り額と同時に提案します。その板をご覧になりたいということであれば、事前に日時を調整させてうえで相模湖工房で説明も交えて紹介します。

賢木@吉祥寺

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