2015.09.08

ウォールナット材はこんな木材だ!【No.1304】

今日は材木を見に倉庫を見学させて頂きました。立て続けに材木倉庫を見て、結構テンションが上がってます。急激な円安の影響やロシア材の輸出規制、木材供給国の景気などいろいろな影響で、木材の価格が上昇しています。供給量も少なくなっている材種があり、いろいろと変動があって木材の手配に気をつかう状況です。日頃から情報収集をしていないと、現状に追いつけなくなってしまいそうなぐらい刻一刻と状況が変動している感じです。

今まで使えていた樹種が使えなくなる可能性も多いにありえます。そのため代替え材種を検討したりしておかないといけない状況でもあります。材木商社さんや材木屋さんも新しい産地を開拓したり、代替え木材を探したりといろいろと策をめぐらさせてくれています。

さて、現在世界的に人気がある樹種はウォールナット材です。人気があるために価格が急上昇しています。もちろん円安の影響もあって頭が痛くなっています。ウォールナット材はアメリカが原産国です。アメリカ国内の景気回復に伴って、国内需要が高まり値段が高騰しました。また近年は中国の動向が木材価格に大きな影響を与えているようです。中国は木材の消費量が多く、アメリカなどの木材原産国にとっては重要なお客さんです。日本よりも買う量が多いので、優先的に物が流れているそうです。

ウォールナット材の魅力はなんといってもその色です。着色していないのに濃い茶色をしているため、シックな雰囲気を造り出すのには最適な木材です。

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こちらがウォールナット材のダイニングテーブルとチェアです。この焦げ茶色がウォールナット材の特徴なのです。木材の着色剤でウォールナット色というのがあるぐらいの色なんです。

でも、ひとくちにウォールナット材といっても個体差があります。紫っぽい焦げ茶色から濃い焦げ茶色までいろいろあります。紫がかったウォールナット材が本来のウォールナットの色だと主張する方もいます。でもそうしたウォールナット材は少なくなってきてしまいました。また人工乾燥をおこなうとこの紫がっかった色が消えてしまうといった事もあるようです。でも人工乾燥をしないとなかなか使いづらいという状況もあります。

ストレートカットテーブルに使用しているウォールナット材は現地で製材、人工乾燥を行って日本に輸入されたものです。現地の人工乾燥はかなり強力で含水率は8%ぐらいまで下がっています。日本よりアメリカの方が乾燥しているというのも影響していると思います。(アメリカといっても広いので、かなり大雑把な推測ですが…)

現地(原産国)で製材された板の事を”現地挽き”と言います。現地挽きされた板は現地で人工乾燥を行うのが普通です。現地挽きされたウォールナット材の含水率を計測してみるとだいたい8%ぐらいになっています。しっかりと人工乾燥がされているのが分かります。なので製作サイドとしては安心して使える木材です。

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オーダーで製作する棚やテレビボードにも”現地挽き”の板を使用しています。テーブル天板にするのは、8/4インチ、6/4インチの厚みの板です。それぞれ40mm、30mmの天板になります。仕上がりで20mmにするには、4/4インチ厚の板を使用しています。

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一方、耳つきテーブルの天板は、丸太で日本に入ってきたウォールナット材を使用しています。”現地挽き”は耳が裁たれています。そのため、耳つきの板を得るためには丸太で輸入してきたものを日本で製材する必要があります。ウォールナット材は丸太でもたくさん日本に入ってきています。それを日本の製材所で製材しています。テーブル天板にする板は60mmで製材される事が多いです。他にも50mm、55mmで製材される事もあります。それらの板は日本で乾燥させる必要があります。人工乾燥された板を仕入れる事もありますが、多くは未乾燥の板を仕入れています。それをソリウッドの木材乾燥庫で時間をかけてじっくりと乾燥させています。ソリウッドの木材乾燥庫は低温で乾燥させているので、ウォールナット材本来の色をなるべく損なわずに乾燥させる事ができます。

以上、ウォールナット材について書いてみました。

瑞木@相模湖

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