2015.06.20

オイル仕上げは木の質感を存分に味わえる塗装方法です。

昨日は主にウレタン塗装について書きました。個人宅のテーブルに関してはオイル仕上げが多くなったので、ウレタン塗装をする回数は減りました。でも店舗などの什器はウレタン塗装を施すことが多いです。ウレタン塗装について書いた昨日のブログをご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

無垢材テーブルのウレタン塗装は塗り直しで再生させることが可能です。

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ウレタン塗装の独断場だった所に後から登場してきたのが、オイル塗装です。チークオイルという塗料がありましたが、取り扱いは難しかったようです。オイル仕上げが普及したのは、ドイツ製の自然系塗料が日本に入ってきてからだと思います。亜麻仁油と基本成分としたシンナー系の溶剤を使用していない自然系塗料は取り扱いも楽で仕上がりも良いことで広く使われるようになりました。

オイル仕上げで使うオイルは、オイルが導管から木の内部に浸透して固まるタイプのものです。自然系塗料も各社いろいろと独自の工夫をしていて、いかに浸透して固まるかを研究しているようです。導管から浸透して固まるため、表面に塗膜を作ることがありません。そのためウレタン塗装のような強さがありません。濡れるとシミになりやすく、キズをつきやすいです。また、水拭きを繰り返すとオイル成分が抜けてきてしまいます。

そのため、メンテナンスをする必要があります。そう表現すると、なんだか面倒くさいと感じるかもしれません。でも、自分でメンテナンスが出来ることで、永く使用できるという面もあります。昨日のブログでも書きましたが、ウレタン塗装は劣化して剥がれたり、キズがついてしまったりすると自分で修復することはできません。また部分的に修復することも困難です。

オイル塗装の無垢材家具は、紙ヤスリでキズやシミを目立ちにくくすることも出来ます。完全にキズやシミを消すことは難しいですが、気にならない程度まで修復することは可能です。はじめは上手く出来るか不安かもしれませんが、コツを掴んでしまえば気軽に出来るようになると思います。

汚れやシミが気になる場合は、#320の紙ヤスリで該当部分を磨いてください。その際は、必ず木目に沿った方向で紙ヤスリをかけてください。木目に直交する方向で紙ヤスリをかけるとキズになってしまいます。また#320より粗い紙ヤスリは使わない方がよいと思います。キズや汚れが落ちない時にどうしても粗い紙ヤスリを使いたくなってしまいます。しかし、粗い紙ヤスリは逆にキズを残す事になる可能性があります。慣れない方は使わないほうが無難です。

シミ・汚れ・キズには弱いオイル仕上げですが、最大の特徴はその質感にあります。塗膜を作らないため、触れる部分は木そのものなんですね。ウレタン塗装はウレタンの塗膜を触っていることになります。分かりやすく言うと、薄いブラスチックを触っていることになります。なので、どの木でも同じような感触がします。

オイル仕上げの場合は、その木が持っている触り心地をそのまま味わうことができます。木の冷たさ、暖かさをじかに感じる事ができるんですね。そこがオイル仕上げの良い所です。

着色のオイル仕上げについて質問を受けることがあります。着色できるオイル塗料は販売されています。でもあまりオススメはしません。なぜかというと、色ムラのように見えるからです。オイルは導管に入って固まる塗料なので、導管にはたくさん塗料が溜まります。そういう性質なので、導管は色が濃く見えて、それ以外の部分にはオイルが溜まらないのでほとんど色がつきません。なので、全体的にみると色ムラのように見えてしまいます。雑貨などの小さい物に対しては有効かもしれませんが、テーブルなど広い面に対しては、良い効果が得られません。着色をするならウレタン塗装の方がオススメです。

以上、オイル塗装について書いてみました。

瑞木@相模湖

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