2015.04.11

無垢のテーブルは「反る」って聞いたけど、本当ですか?

無垢材のテーブルを検討している方で「無垢のテーブルは反ったり割れたりする」事を気にしている方がいます。当然そうだと思います。高い金額を払って手にした物が反ったり、割れたりしてしまっては残念ですよね。

そこで今日のブログエントリーでは、「無垢材テーブルの反り」について書きます。

まず、大前提として木という素材を使う限り「反り」を100%防ぐ事はできません。木という素材は自ら動いて変形をするものなのです。

そのため、木材を扱う者にとっては「如何に動きを少なくするか」という課題が常につきまとう事になります。こうした考え方を突き進めて開発されたのが合板やMDFなどの木質素材と言われる工業製品です。合板は薄くスライスした板を繊維方向が交互になるように貼り合わせて製作しています。基本的に合板は”動かない”と考えられていますが、厳密には多少の反りは見られます。さらに動きを少なくしようとして開発されているのがMDFなどの製品と考えられます。これらは木材を細かくして再度固めて板状にしたものです。こうすれば”動き”は無くすことができます。

無垢材は木そのものですので、必ず動きます。

木材が動く要素は大きく分けて2つあります。

1つは、樹木内に生じている残量応力です。立木の状態で成長する過程で木の内部にはいろいろな方向で力が加わっています。伐採して製材する過程で木の内部に溜まっていた圧力が開放されることで反ったり、割れが入ったりします。

2つ目は、木材が乾燥することによって生じる力で反ったり、割れたりします。立木の状態では樹木内にたくさんの水分が溜まっています。伐採されたり、製材されたりして樹木内部が空気に触れることで水分が抜けていきます。細胞壁内に溜まっていた水分が抜けることで細胞壁が縮みます。1つ1つの細胞壁が縮むことで板全体も縮みます。その縮む量が方向によって異なります。その差が割れたり、反ったりする要因になります。

家具製作で無垢材に関わる人間は上の2つの要素を分けて考えることはあまりしません。どちらかというと後者の方を気にしています。乾燥に伴う動きは製品になった後でも影響を及ぼすからです。

ソリウッドで使っている木材は人工乾燥庫に入れて乾燥させた板ばかりです。人工乾燥させているので含水率は約10%まで下がっています。いくら乾燥させても木に含まれている水分はゼロにはなりません。そして乾燥させた後でも、たえず水分を吸収したり、放出したりしています。湿度の高い梅雨時は水分を含んで伸びます。逆に冬場は乾燥しているので水分を放出して縮みます。そして伸びたり縮んだりするのは、板の幅方向です。長さ方向に伸びたり縮んだりはほとんどしません。

そのため、反りを少なくするためになにかしなくてはいけないのは幅方向に対してということになります。

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ソリウッドのテーブルは裏側に金属でできた反り止めを埋め込んでいます。木が動いた時になるべく反らないようにストッパーの役目をしています。厚みが40mm以上ある天板の場合はコの字型の反り止めを入れています。厚みが40mm以下ならL字型の反り止めを入れています。

150411_2.jpg
反り止めを埋める溝に対して金属製の反り止めが短くなっているのが分かると思います。溝いっぱいに反り止めを入れると木が縮んだ時につっかえてしまい、”はぎ”が切れたり、割れたり、反ったりしてしまいます。そうならないためにわざと隙間をあけています。

というわけで、木が動いて反ることを100%防ぐことはできませんが、なるべくその影響を少なくするために出来ることはしておいた方が良いというのがソリウッドの反りに対する考え方です。もちろん、製作の前段階である乾燥にも気を使い極力動かない状態にしておく事も疎かにしていません。

厳密に測定すれば、わずかな反りは必ずあります。それでも使用に支障がでるような反りはほとんど生じていないです。反り止めが効いていると考えています。

瑞木@相模湖

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