2015.03.08

反り止めとは? 〜聞き慣れない単語をわかりやすく解説します〜

反り止めとは?垂れ止めとは?と聞かれたならば、どんなものかはともかく、何かが反ることを防ぐもの、何かが垂れるのを防ぐものと思われると思います。無垢材を使った家具を製作する際には、どうしても意識しないとすぐに調子が悪くなったり、場合によっては使い物にならない家具になってしまう恐れがあります。ですので、作り手側だけでなく、無垢材のテーブルを検討する方も、少し意識したほうがよい単語です。

では、なぜ反り止めを意識しないといけないのでしょうか?

それは無垢材が反るからです。木はまだ立木の状態で成長を続けているうちは、内部に沢山の水分があります。伐採され製材されて板の状態になると周りの空気と同じ水分量になるよう調整しようとします。つまり、周りの空気が乾燥しているときは木の内部にある水分を外に出そうとします。水分が抜けると細胞と細胞の間が空き、その隙間を埋めようと動くので板が収縮するということになります。木の表と裏でこの収縮する度合いが違うので、収縮が大きいほうに反ってしまいます。

この反りを防がなくては、無垢材を家具に使用することは出来ません。まず、家具にする前にやらなければいけないことは乾燥です。乾燥をさせることで先ほど述べたように反りなどのくせをださせます。ある程度乾燥が進むと反る可能性も低くなります。それから再度平面をだすように削ればそれ以上反りが出にくく、家具にも使用できるようになります。

ですが、十分に乾燥をしたからといって安心してはいけません。しっかり乾燥させた木でも木の内部にはまだ水分が残っています。木は周りの環境と調和するように水分を吸収したり、放出したりします。よって家具になった後でも、湿気の高いところに置かれれば水分を吸収しようとします。この水分量の変化が収縮を引き起こし、反りにつながると考えられます。そこで、家具になった後でも反りに対する対策が必要になります。

ソリウッドの無垢材テーブルには標準として金属製の反り止めを天板の裏に埋め込んでいます。実はこの反り止めにも創業以来無垢材テーブルを作ってきた中で培ったノウハウを活かし、細かな点まで心配りをしています。

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反り止めを埋める溝のサイズ

金属製の反り止めは天板の裏に溝を掘り込みそこにはめ込むようなカタチで固定します。この溝のサイズは金属製の反り止めを埋めたときにあえて隙間が出来るようにしています。びっちりと反り止めと同じサイズにしてしまうと、木が縮んだときに反り止めにぶつかります。それでもなお縮んだ場合、反り止めがつっかえ棒になり、天板が反り上がってしまうことがあります。

長円のネジ穴

反り止めはネジで固定しますが、そのネジを入れる穴にも細かな配慮がしてあります。通常、ネジがギリギリ入る穴が空いていればそれで十分ですが、無垢材の場合、ネジギリギリの穴だと伸縮によりネジに力がかかり、曲がってしまう恐れがあります。それを防ぐために幅方向に穴を広げた長円にして力が逃げるようにしています。また、ぎっちりと固定することによって、伸縮による力をうまく開放できずに板が反ってしまうことが考えられます。そういった意味でも長円による遊びが必要になります。

こうしてみてきたように、無垢材家具を製作する上で、木の伸縮には常に気にかけておかなければいけません。また、伸縮に対する工夫を施すことによって長く使える家具にするというのが無垢材を専門に扱う家具工房の使命でもあります。

これはソリウッドに限らず、その工房でもいえることです。ですので、伸縮に対する考え方や反り止めの方法などは作り手によって変わります。家具を選ぶ際には、製作者やお店にいるスタッフに反りに対する対応を聞いてみると、そこの工房ないしはショップの思いがみえてくるような気がしています。デザインや価格といった検討要素に加え、そういった木の伸縮や反りに関する対応という観点で、どこに頼むかを判断してもよいかもしれません。

賢木@吉祥寺

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