2015.03.03

無垢材テーブルが出来るまで 2

2月24日のブログエントリーでは無垢材テーブルが出来るまでの様子を途中まで書きました。今日のブログエントリーはその続きになります。前回のブログエントリーを読んでない方はまずこちらを読んでください。

無垢材テーブルが出来るまで。

粗木取りを行ったテーブル天板用の板はしばらく空気に触れて置いておきます。木を削ると、木の内部に溜まっていた力が解放されて若干反りやネジレが起きます。乾燥中の反りやネジレに比べると僅かではありますが… 1週間ほど空気に触れさせるように置いておきます。この行程をシーズニングと呼んでいます。

シーズニングを終えた後にもう一度削って、仕上がり寸法にしていきます。

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決まった寸法まで削った表面を見て、もう一度どういう組みあわせではぎ合わせるかを決定します。はぎ合わせ方を決める事はテーブルの表情を決める重要な要素です。幅を合わせながら、いろいろと組みあわせを変化させて最適な順番を決めていきます。

はぎ合わせ順が決まったら接着剤を使ってはぎ合わせます。まずは”はぎ面”をとります。手押し鉋盤を使って、はぎ合わせる面を整えます。接着剤は平滑な面であればあるほど接着強度が増します。そのため、この”はぎ面”取りは接着強度を高めるためには重要な作業になります。

木材を接着するための接着剤というのは、たくさんの種類があります。一般的なのは、黄色のプラスチック容器に入った「木工用ボンド」ですよね。「ボンド」という名称はコニシというメーカーの商標です。「木工用ボンド」は酢酸ビニル樹脂エマルジョンタイプという種類の接着剤です。木工業界では”酢ビ”(さくび)と略して呼んだりしています。”酢ビ”は一液性で取り扱いが楽で非常に便利な接着剤ですが、接着強度はあまり強くありません。耐水性、耐熱性に難があります。そのため、はぎに使うのには適していません。

ソリウッドで使用している接着剤は、水性高分子イソシアネート系接着剤というものです。ビニルウレタン系接着剤とも呼ばれています。このタイプの接着剤は、酢酸ビニル樹脂エマルジョンタイプ接着剤より接着強度・耐水性・耐熱性に優れています。値段は、”酢ビ”と比べると3倍ぐらいします。この接着剤を使用するようになってかなりの年月が経ちますが、はぎ面で接着が切れたというクレームはほとんどありません。私がソリウッドに就職して6年が経ちますが、その間にはそのようなクレームは1件もありません。

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水性高分子イソシアネート系接着剤は2液性の接着剤です。主剤と架橋剤を適切な配合で混ぜ合わせて使用します。一度混ぜ合わせたものは乾くと使えなくなってしまいます。ので、使用分だけその都度混ぜ合わせる必要があります。この点が、1液性の接着剤に比べると不便な点ですね。余って無駄になってしまう場合もありますし。

木材を接着する場合、接着剤は必ず2つの面につけてくださいね。両面に接着剤を付けることで適切な接着強度が得られます。片面だけに接着剤を塗っただけでは不十分です。これはどんな接着剤でも同じです。

接着剤を塗ったら圧力を掛けて接着剤が乾くのを待ちます。
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圧力を掛けるのに最適なのが”はぎ機”です。ソリウッドでは、2台の油圧式の”はぎ機”を使っています。目違いも少なくなります。

はぎが終わると、長さを切ります。これでテーブル天板の寸法が決まりました。この後は仕上げに入ります。途中で天板の裏に、脚のプレートをつけるための彫り込みと反り止めを埋め込むための彫り込みの加工をします。

シーズニングからはぎまではテーブル製作で非常に重要な行程になります。いくら綺麗に仕上げても、シーズニングや”はぎ”がしっかりとされてないと、時間が経つと不具合が出る場合があります。この行程は手が抜けないテーブル製作の肝です。

瑞木@相模湖

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