2015.02.28

へ〜、こんな木もあるんだという発見もある『【原色】木材加工面がわかる樹種事典』。

もう2月も終わりです。2015年になって2ヶ月が経ってしまいましたね。早いですね………

今日のブログエントリーは書籍の紹介です。これまでも木や家具に関する書籍を何冊か紹介してきました。今回紹介するのはこちら
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【原色】木材加工面がわかる樹種事典 河村寿晶・西村栄明 監修:小泉章夫 誠文堂新光社

樹種が紹介されている事典系の書籍はいくつか出版されています。この辞典は2014年5月の発行ですので、その中では新しく発売されたものです。この事典の最大の特徴は、加工した面の様子が分かるということです。

この手の書籍に掲載されている木材の写真は平面の写真がほとんどです。しかし、この本ではロクロで挽いた小物入れの写真が掲載されています。つまり、丸く加工した面の写真が載っているのです。1つの樹種につき4枚の写真が掲載されています。そのうちの3枚はロクロで小物入れにした形で塗装までされています。塗装はクリア色のガラスコート塗料で行われています。残りの1枚は、木工旋盤で粗く円柱に挽いた状態です。この写真ではその樹種の素地の様子が分かります。

掲載されている樹種は全部で235種。国産材116種、外国産材119種となっています。掲載樹種は多いです。家具としては使われないような樹種も含まれています。製材して板にしてもたいした幅にならないような樹種も挽き物では使うことができますからね。よって、私が見た事も聞いた事もない樹種も結構ありました。

全国的にはあまり流通していない沖縄産の樹種も掲載されています。デイゴやアカギなど。デイゴは歌の歌詞で聞いたことありますね。とても軽くて柔らかい木だそうです。現在日本に生えている木の中では1番軽くて柔らかく、世界の木でもバルサについで軽くて柔らかいんだそうです。

重くて堅い木で有名なのは、リグナムバイタ。世界で1番堅くて重い木と言われています。この本ではリグナムバイタより堅いというデザートアイアンウッドという木が掲載されています。

“長い年月にわたって、砂漠の中に埋もれて化石のようになっていく硬い木。「神代」のようなものだが材質は異なり、ほぼ石化しているといってよい。丸太の状態で埋もれており、辺材部分も残っている。リグナムバイタよりも硬い。磨かなくても、手触りはツルツル。割れが激しいので、大きな材はとれない。東南アジアで産出されるウリンなどのアイアンウッド(鉄木)とは異なる。”

このデザートアイアンウッドの存在はこの本で初めて知りました。石のようだというのが面白いですよね。砂漠に埋もれて石化するというのもなんだか不思議な感じです。アメリカ・アリゾナ州からメキシコ北部にかけての砂漠地帯で採れるようです。ナイフや包丁の柄によく使われている材なんですね。

4本のコラムも掲載されています。『カバとサクラ-なぜカバがサクラと呼ばれるのか−』『環孔材、散孔材、放射孔材-導管の並び方によって、広葉樹材はタイプ分け-』といったこのブログエントリーでも取り上げたことがある話題についてのコラムもあります。『「食べられる実のなる木」の特徴-木肌はスベスベ、いい匂い-』『ローズウッドとは何か-バラの香りがしない材もある』というコラムはなるほどということも書かれており、僕的にはとても勉強になりました。

樹種を覚えるために読むというのでは楽しくないと思うので、暇な時にパラパラとめくってこんな木もあるんだという発見を楽しむ本だと思います。トイレに置いておいて、パラパラめくる読書を楽しんでいる方には自身をもってオススメできます。

樹種本では以前にこのブログでチラッと紹介したこんな本もあります。
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掲載樹種185種。こちらの本に掲載されている樹種はよく聞くものが中心です。家具で使われる樹種はほぼ全て網羅されていると思います。ある種の木材についてブログエントリーを書く際はこの本の項目を見直してみたりしています。この木何の木だろう?という場面でも活躍します。

『【原色】木材加工面がわかる樹種事典』の方が読み物としては面白いですね。実際に加工した時に感覚や匂いなども書かれているので、よりリアルな木材に迫れる気がします。

瑞木@相模湖

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