2015.01.24

プライム等級とKD材について

昨日のブログエントリーで掲載されていた写真を覚えていますか?まだ昨日のブログエントリーをご覧になっていない方はこちらからどうぞ。
→材木の取引で使われる”リューベ単価”ってなんですか?

そこで使用した写真がこちらです。
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さすがにこの写真だけで樹種を判断するのは難しいですよね。これはホワイトオーク材です。北米産のナラになります。北米産にナラにはホワイトオーク材とレッドオーク材があります。ロシアや日本産のナラ材に似ているのがホワイトオーク材になります。レッドオークはその名の通り、少し赤っぽい色をしています。どちらも北米ではメジャーな木材でいろいろな用途で使用されています。日本ではホワイトオーク材の方が使われている量が多いと思います。実際、ソリウッドではホワイトオーク材は使用していますが、レッドオーク材は現在使用していません。

ここから本題に入ります。この木材に書かれている「Prime」「KD」とは何を意味しているか分かりますか?

まず「Prime」から。Primeは英語で”最良の””すばらしい”といった意味があります。その意味の通り最高ランクの木材を意味しています。北米産の木材は節や割れといった欠点の割合に応じてランク分けがされています。プライム等級は欠点の割合が1番少ない最上の等級になります。FASと表記されることもあります。その下にはNO.1コモン、NO2.コモンといった等級があります。等級が下がるにつれて節などの欠点が多くなってきます。しかし、日本に輸入されている北米産の広葉樹のほとんどはPrime(FAS)等級になります。実際NO.1コモンやNO.2コモンといった等級の板を見た事はほとんどありません。日本で北米産の広葉樹を特に何も言わないで注文すれば、Prime等級の木材が手に入ります。

また、白太はアメリカの基準では欠点とされていないため等級分けとは関係がありません。ウォールナット材やチェリー材は日本では色の濃い部分のみを使用する習慣があります。ところがアメリカでは色の濃い部分だけでなく色の白い白太部分を合わせて使用します。そのためアメリカの木材評価においては白太の含有率は重要視されないんですね。日本では白太率をかなり気にします。この点は日米の美意識の違いからきていると言われています。確かに濃い部分だけ使用したほうが統一感があってキレイに感じますが、その分ロスは多くなります。統一感があってキレイと感じることじたいが日本人的美意識と言ったほうがよさそうです。

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続いて「KD」についてです。KDはkiln driedの頭文字です。kilnは炉の意味です。dryは乾燥。kiln driedは炉で乾燥させたという意味です。つまり、人工乾燥材ですね。

北米産の木材の多くは、製材されて人工乾燥させたものが日本に入ってきます。北米産の製材された板は基本的に人工乾燥させたあとに輸出されます。

木材は製材後に乾燥をさせないと使い物になりません。家具で使用するためには含水率を約10%にする必要があります。含水率を10%ぐらいまで乾燥させるためには人工乾燥技術が不可欠になります。北米には原木を集めて製材して乾燥させる材木メーカーがあります。大型の木材乾燥釜を用いて大量に木材を乾燥させています。日本より乾燥した気候のため、日本で人工乾燥をさせるよりも含水率は低めになる気がします。北米の乾燥材に水分計を当てるとだいだい8%ぐらいを指すことが多いです。北米から輸入される乾燥済の木材はしっかりと乾燥させられているので安心して使用することができます。木材利用にとって乾燥はとっても重要な要素になりますから。

というわけで、本日は日本に輸入される北米産の広葉樹の状態について書いてみました。

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