2014.12.21

無垢材本棚を考える2014

個人的には、ダイニングセットと本棚は無垢材が良いと思っています。木本来の特徴がもっとも活きると考えているからです。普段、テーブルや椅子のことは結構描いているので、今日は本棚にスポットを当てます。

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吉祥寺ショールームには、いくつか本棚が展示してありますが、これはオーダーの一例で実際には、サイズ・樹種・棚の仕様はお客様のご要望に応じて製作します。

まずは、なぜ本棚には無垢材が適しているのでしょうか?

本棚に求められるのは、なんといっても強度です。本は一冊では、さほど重みをかんじませんが、沢山そろうとかなり重くなります。そこで、頼りになるのが無垢材なのです。無垢材は強度のある素材などで、重くなる本棚には適しています。ですが、無垢材であれば丈夫で長く使える本棚が出来る訳ではありません。無垢材の本棚を設計する際に気をつけるべき点は以下の2つです。

棚板の幅は広くても800mmにおさえる

無垢材の強度にも限度はあります。幅が広くなると本の重みに耐えきれなくて、棚板がたわんでしまう可能性があります。そのため、800mmを超える場合は、仕切り板を設けるようにします。

搬入を考えたサイズに分割する

小さい本棚であれば気にする必要はありませんが、壁面に設置するような大きい棚は、搬入のことを考えて分割で製作し、現場で組み立てる必要があります。搬入経路によりますが、幅1800mm、高さ1800mmを超えるものについては分割にすることを考えます。分割する場合は、いくつかの小さめサイズの本棚を製作して、別々に搬入し、ボルトで固定していき、大きい本棚にします。どこで、分割するかについては、お客様と相談して決めていきます。

さらに、本棚を製作するには、以下2つの仕様について、お客様に決めて頂く必要があります。

棚板を固定にするか?可動にするか?

棚板を納めるものに応じて高さを変えられるようにしておくのが、可動棚です。一方、固定棚は、本棚の構造である本体と棚板を予め固定しておく方式です。

固定棚は強度がよりでますが、収納出来るモノのサイズが決まってしまうというデメリットがあります。そのデメリットをなくすのが可動棚です。側板の内側に小さな穴をあけ、そこにダボといわれる短い丸棒をいれます。その上に棚板をのせる仕様です。ダボはネジ式になっていて、穴にはメスネジを埋め込んでいますので、何度も取り外しが可能です。可動棚のデメリットとしては、本体に小さいですが穴が空くので見た目ですっきりしない点が挙げられます。

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こちらが可動棚に使うダボです。半分はネジのようになっています。

また、サイズによっては、棚の強度が不十分になるため全て可動棚で作ることが難しい場合もあります。その場合は、真ん中に近い棚板をひとつ固定棚にして強度を保てるようにします。

どちらもメリットデメリットがあるので、最終的にはお客様の使い方・考え方による選択になります。個人的には扉などがつかないオープンな本棚であれば、固定棚のほうが好みです。沢山の本を収納するのであれば、頻繁に本を入れ替えることは少ないと思います。そのため、先ほど書いたように可動棚用のダボ穴が意味をなさず、見た目的にも劣ります。予め収納する本のサイズを考え、思い切って固定棚で作ることも良いと思います。

もう1つの発注の際に決めて頂きたい点は、

背板をつけるか?つけないか?

です。背板とは、本棚の後ろ部分につける板をさします。背板がないとそのまま壁が見える状態になります。背板については、無垢板を使用することもできますが、多くの場合、合板を使うことになります。

背板のあるなしも好みの問題といえるかもしれません。背板があると本を奥までいれると、きっちりと整頓されます。背板なしの場合は、風通しがよくなります。先日のブログエントリーで瑞木@相模湖が紹介した成毛眞氏が書いた「本棚にもルールがある」にもこの点が触れてあり、“風の通りが確保できるため、本が痛みにくいのだ”と述べています。風通しも確保しつつ、きっちりと揃えて並べたいという方には、背面を全部覆う背板ではなく、高さ10mmか20mのストッバーになる板をつけることをオススメします。

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こちらがストッパーです。 これをつけることで、本はビシッと納まります。

賢木@吉祥寺

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