2014.11.28

宮崎椅子製作所さんの展示会とHANDYチェアの秘密。

IFFT(東京国際家具見本市)にisu-worksさんの新作を見にいった話は先日の賢木@吉祥寺のブログエントリーで書かれていました。→IFFT展で「isu-works」の新作をみてきました。

実はその後に六本木のアクシスギャラリーで開催されていた宮崎椅子製作所さんの展示会に行ってきました。新作の椅子3点と新しく展開する樹種や布・革などの展示がありました。

141128_5.jpg
会場で頂いたパンフレットです。

今回展示されていた新作椅子は3点。村澤一晃さんがデザインしたノックダウン式の椅子とInoda+Svejeのスタッキングチェアとスツールです。ノックダウン式の椅子とスタッキングチェアの写真は宮崎椅子製作所のWebサイトに写真が載っている告知がアップされているので気になる方はそちらをご覧ください。

新作の中で1番気に入ったのは村澤さんデザインのノックダウン式の椅子です。背にも革が張ってあり、安定した座りを提供してくれます。組み立ても難しいものではなく、慣れていない人でも5~10分ほどで組み立てられるだろうという話でした。一度組み立ててしまえば分解する機会はそうあるとは思いませんが、送料などを減らせるメリットは有ります。組み立てる楽しみもありますね。新作の取り扱いをするかはまだ分かりませんが、取り扱う事が決定したらこのブログで告知します。

今回の展示会では新作椅子の他に新たに取り扱う樹種やファブリックも発表されていました。樹種はケヤキとレッドオークが新たに加わりました。ケヤキは日本を代表する広葉樹です。1枚板テーブルでは不動の地位を占めていますが、椅子に使われることはあまりありません。量産されているケヤキの椅子はとても数が少ないです。ケヤキは耳つき板として使われる事を前提にして厚く製材される事が多く、定番規格の27mm、34mm、45mmの厚みで製材される板の数が多くありません。そういう事情もあってケヤキ材の椅子はあまりないんです。これはなかなか面白い試みだと思います。国産の木で作ってみようと試みは、ここ数年ミラノの展示会に参加をしている宮崎椅子製作所さんならではの発想かもしれませんね。ケヤキの椅子は意外と盲点だったように感じます。

レッドオークはナラ材の入手が困難になりつつある現状を踏まえての新しい選択肢だと思います。ナラ材を多く日本に供給してくれていたロシアからの輸入量が著しく減っているため、値段の高騰、量の確保が問題になっています。レッドオークは北米産の広葉樹です。北米からの輸入は安定しているので、将来を見据えた試みと言えるでしょう。こちらもいつ頃から導入されるかといった情報が決まり次第お伝えします。

先日届いたばかりのHANDYチェアについて追加のお知らせです。既にこのブログで2回HANDYチェアについて書いていますが、書いていなかった事実があります。それは………

141128_2.jpg
HANDYチェアは座面がビスで固定されていないので、座面を持ち上げると簡単に外れます。この仕様については事前に聞いていなかったので、初めはびっくりしました。留め忘れてしまったのかと思いました。しかし、ビスを打つための穴も開いていないので、こういう仕様なのかなと…… 届いたHANDYチェアの写真を撮るために箱からだそうとして座面を持って引き上げたら座面が動いたので、何事かと思いましたよ。すぐに賢木@吉祥寺にTELしましたが、そういう仕様とは聞いていないとのこと。まあ、なにか理由があるはずだから確認しておこうという話になりました。

ということで、展示会の時にスタッフの方から座面が固定されていない理由を聞きました。言われてみると納得!!!

デザイナーのカイ・クリスチャンセンさんの意向でこういう仕様になっているとの事。理由は、食べかすやゴミが座面と本体の間に溜まってしまうから、すぐに掃除できるようにビスで固定しない方がよいと考えるからだそうです。確かにそうです。ゴミが溜まったら掃除するの大変ですよね。座面が取り外せれば掃除も簡単です。

ビスで固定されていないので、座るとズレてしまうのでは?と心配される方もいるでしょう。しかし、座ってもズレる事はないです。前脚と後ろ脚が座面を挟むようになっているので、上に持ち上げないと動きはしません。なのでご心配なく。心配な方は吉祥寺ショールームに座りに来てくださいね。ちなみにHANDYチェアは1956年に発表されたNV31の復刻版です。オリジナルのNV31チェアも座面はビスで固定されていない仕様だったそうです。

余談ですが、58年も前に発表された椅子のデザインとは思えませんよね?今でも充分に通用するデザインです。さすが椅子デザイン大国のデンマーク。

141128_3.jpg

肘掛けが前方までせり出していないので、座面の上であぐらをかく事もできました。
141128_4.jpg
座っているのは私です。(身長170cm・体重65kg) 私の体型だとあぐらをかく事ができました。椅子の上であぐらをかきたいという人も結構いるようです。HANDYチェアの上であぐらをかきたいという方は、実際にあぐらで試座してみてください。体型によっては窮屈な場合もあると思いますので。

最後に宮崎椅子の話題をもうひとつ。

雑誌『コンフォルト』の最新号の特集は、「日本のスタンダードチェアを探せ!」です。この中で宮崎椅子製作所の椅子が2点取り上げられています。PePeチェアとUUチェアです。ソリウッドではUUチェアの取り扱いがあります。吉祥寺ショールームではナラ材のUUチェアを展示しています。もちろん実際に座って頂くことが可能です。(PePeチェアはソリウッドでの取り扱いがございません。申し訳ありませんが、PePeチェアの取り扱い店舗にお問い合わせください。取り扱い店舗は宮崎椅子製作所さんのWebサイトでご確認頂けます。PePeチェア取り扱い店舗一覧 )
141128_6.jpg

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest