2014.09.23

落ち着いた雰囲気のナラ材を徹底解剖!!

昨日のブログエントリーで徹底解剖したタモ材に引き続き今日はナラ材について徹底解剖していきます。ナラ材は昔から無垢材家具によく使われている定番の木材です。タモ材と雰囲気は似ていますが、よく見ると全然違う木目を持っています。明るい褐色なので、タモ材同様に室内を明るい雰囲気にする効果を持っています。

ナラとつく木はいくつかありますが、家具用の木材で使われているのはミズナラという種類です。家具の世界でナラはいったらこのミズナラを指します。身近な雑木林によく生えているコナラは家具などに使う木材として使用することはほとんどありません。コナラは薪など燃料としてよく使われる木です。ミズナラはブナ科の木です。英語だとオークと表記されます。ウィスキーやワインの樽に使われる材として有名なのがオーク材です。

ミズナラの産地として国内で有名なのは、北海道です。しかし、現在は北海道産のナラ材はほとんど流通していません。北海道産のナラ材と謳って製作されている家具も時々見掛けますが、量としてはごく一部で旭川の家具メーカーがわずかに使用できている程度だと思います。全国的に流通する程の量はありません。現在流通しているナラ材はロシア産のものがほとんどです。ロシアといえば関税問題。昨日のタモ材に関するエントリーでも書きましたが、ロシア産の木材は輸入量激減、価格急上昇で岐路に立たされています。今後良材が手に入る事は少なくなる事は確実です。ロシア産のナラ材がそんな感じなので、替わりに北米産のホワイトオーク材にシフトするケースが増えています。そのため北米産のホワイトオーク材の人気は急上昇、価格も上昇気味になっています。ロシア産のナラ材と北米産のホワイトオーク材を比べると木目に若干の違いがあるものの、かなり見慣れていない人でないと区別はつかないと思います。でも、価格は結構違います…

それではナラ材で製作したテーブルを見ていきましょう。

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タモ材よりも少し落ち着いた雰囲気ですかね?木目もタモ材より複雑できめ細かい感じがします。ナラ材は柾目に木取りをすると虎斑という虎柄に似た模様がでます。派手な印象になりますが、これはこれでとても良い木目です。なのでナラ材は板目で挽いた板と柾目で挽いた板の両方を材木屋さんがストックしている事が多いです。

また、ナラ材の白太部分は他の木材の白太に比べて柔く、虫が喰う可能性が高いためになるべく使わないようにします。そのため耳つきでテーブルにするための板が非常に少ないです。最近ではめっきり数が減りほとんど見掛けなくなりましたが、1枚板テーブルではそのまま耳を残しておきますが、虫に喰われている痕がある事が多いです。そのためタモ材のように耳つきのはぎテーブルはナラ材では製作することが出来ません。

棚のオーダーをナラ材で受けることもあります。
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ナラ材の木目がとても格好良く活かせる事ができた収納棚です。

ナラ材は今後の動向が気になる材です。今まで通り使用することが出来なくなるかもしれません。そうなると、北米産のホワイトオーク材を使用することになります。ソリウッドでもホワイトオーク材を使用するケースも増えてきました。今のところホワイトオーク材は安定して供給されています。一段と北米産広葉樹に頼らざるを得ない状況になってきました。供給元の国が限られてくる事はあまり良いことではないですが、輸入に頼らなければならない状況では仕方ありませんね。

瑞木@相模湖

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