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家具屋で働く双子のブログ
耳つき2枚はぎテーブルをデザインするのが楽しい!
耳つきテーブルデザイナー
耳つきテーブルデザイナーの瑞木@相模湖です。
耳つきテーブルデザイナーなんて言葉を初めて聞いたという方ご安心ください。私も公の場でこの言葉を使うのは初めてです。もちろん、「私は耳つきテーブルデザイナーです。」と名乗った人に出会ったことはありません。
試しにgoogleで耳つきテーブルデザイナーと検索してみましたが、一人もヒットしませんでした。ちなみにカーデザイナーと検索するとWikpediaのページもあるし、カーデザイナーになるためにはなんてサイトもヒットします。
私が普段何をしているかというと、
耳つき板を仕入れに材木市場に行く。
仕入れた耳つき板を計測して記録する。
仕入れた耳つき板を乾燥させる。
乾燥させた耳つき板をどう使うかを考える。
この板とこの板のここを使って、こういう耳つきテーブルを作ってと依頼する。
お客様のご要望にあった耳つきテーブル天板を選び、セットアップする。
そうなんです。耳つきテーブル天板をつくるための下働きをしています。耳つき板を仕入れる時から、この板をこう使ってこういう耳つきテーブルにしようと構想を練っています。よって耳つきテーブルデザイナーと名乗ってもいいはずです。
制約があるからスリリング
耳つきテーブルデザインの中で、一番楽しいのは耳つき2枚はぎテーブルをデザインする時です。
なんで耳つき2枚はぎテーブルのデザインが一番なのか。
適度に制約されている中で、頭をフル回転させて効率よくかっこいいテーブル天板を作る過程がスリリングなんです。
ダイニングテーブルの幅は800mmから900mmが標準です。800mmより狭いと対面して座るとちょっと狭く感じます。900mmより広いと置く場所が限られてくるし、広すぎて使いにくくなります。なので2枚で幅が800mmから900mmになるようにデザインしなければいけません。これが適度な制約です。
1枚板テーブルになると適度な制約ではなくなります。かなりきつく縛られることになります。近年は幅の広い木材が非常に少なくなりました。1枚の板で800mmから900mm採れる板が非常に少ないのです。樹種も限られてきます。国産の木で太くなる広葉樹はケヤキ、トチぐらいしたありません。その他でもクリやニレといった木も幅広材はありますが、市場に出回る数はほとんどありません。
逆に3枚はぎになると、制約が緩すぎます。1枚の幅が270mmから300mm。この幅の板はたくさんあります。樹種も豊富になります。スリリングさが足りない。
耳つき2枚はぎテーブルに必要な幅400mm以上の板はそこそこ数もあるし、樹種も限定されにくくちょうどよい。探せばいろいろと選択肢が出てくるけど、無限にある訳でもない。デザインする上でちょうどいい制約がある。
また、幅が600mmから700mmある板も、節や入り皮などがあって全幅で使えないくても450mm幅なら欠点を除いて使うことができる場合があります。ここが頭をフルに回転させて使えるか使えないかを判断する点。よく考えれば2枚はぎで綺麗でかっこいいテーブル天板になる板というのが結構あるんです。それを見つけて上手く組み合わせる。耳つき2枚はぎテーブルデザインの醍醐味です。
耳つきテーブルデザインはエキサイティング
さらに、1枚板ダイニングテーブルのデザインは製材した段階で決まってしまいます。長さを切って仕上げるとテーブル天板になります。家具屋として製作する楽しさが少ないんです。要は腕の見せ所が少ない。仕上がりをイメージして木取りをする必要も無ければ、デザインに沿って作り上げる技術も必要ない。どちらかというと、製材した人の技量で決まってしまう製品なんですね。幅広い丸太から1枚板テーブルになる幅の板を何枚採れるか?肝心な箇所に欠点が出ないように製材できたか?製材した段階でかなりの部分が決まってしまっているので、家具屋からしてみるとちょっと悔しいんですよ。
耳つき2枚はぎテーブルは1枚の板だけではダイニングテーブルになりません。だからこそ家具屋の腕の見せ所がある。2枚の板のどっち側の耳を使うかで形も変わるし、見える木目も変わってきます。そこにデザインした人のセンスが現れてくるんです。板の良さを引き出せているか、無駄が少なくデザインされているか。
自然が生み出したカタチや模様の面白さを活かしてもっと面白いカタチや模様を作りだせる。2枚を合わせる事によって新しいカタチや木目を作り出せることが可能なんです。だから、面白い。
自然+人でつくるカタチ、モヨウ、モクメ。あくまでも自然がメインだけど、ちょっと人がアレンジしてあげると、もっと面白くなる。だから耳つきテーブルデザインは面白く、エキサイティングな作業なんです。

瑞木@相模湖
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