2025.04.28

無垢材と木質材料の違い

先日、『無垢材ってなに?』というブログ記事を書きました。

木質材料と呼ばれる木を一旦分解して再構成した素材と区別するために、無垢材というカテゴリー分けをしているんですね。

今日は、無垢材は木質材料となにが違うの?という点について考察してきます。

無垢材は木そのものなので自然にカテゴライズされます。自然=人間にコントロール仕切れないと捉えてもらってください。木というのはその中に水分をたくさん含んでいます。よく人間の約60%は水分で出来ていると言われますが、全く同じような事が木にも言えます。

なので、木を伐倒すると中に含まれていた水分が徐々に抜けていきます。水分が多く含まれていたものから水分が抜けると縮みますね。木も乾燥していくと縮んでいきます。

逆に水の中に沈めてみたり、水をかけたりすると木は水分を含んで伸びていきます。

木は伐倒されてしまったら、ただの塊で何の変化もないものにならないんですね。ずっと、乾燥すれば縮む、逆に水分を与えると吸収して伸びるを永遠に繰り返していきます。だから、「無垢材は生きている」なんて言われたりもします。

無垢材は乾燥して縮む、水分を吸収して伸びるを繰り返すので、常に動いている分けです。無垢材の特徴はこの”動く”にあるんです。

合板などの木質材料はこの”動く”の動きをなるべく小さくしようとして開発されています。木質材料の中でも木そのものに近いものと木とはだいぶかけ離れたものもあります。合板は薄くスライスいた板を繊維方向を互いちがいにして接着剤で貼り合わせています。これによって”動き”はだいぶ少なくなりますが、それでも動きます。結果、合板も反ったりします。

MDFは木を粉状まで粉々に砕いてから接着剤で再構成された木質材料です。粉状になっているので、”動く”要素はほぼゼロになっています。それを再構築しているので、”動き”はほぼゼロに近いものになっています。ただ、見た目は木というよりは紙に近くなっています。

無垢材と木質材料の性質の違いが段々と分かってきたのではないでしょうか?

こうした違いがあるので、木質材料の方がコントロールが効くんですね。反ったり、割れたりする心配が少ないんです。物を作って売るという行為は責任が生まれます。だから作り手はできるだけ作り手がコントロールできる材料を使いたいんです。責任が大きくなればなるほど、コントロールしやすい材料を使用する事を好みます。

なので、木造住宅でも大手のハウスメーカーは無垢材よりも木質材料でできた建材を好んで使います。逆に責任が小さい(言葉の使い方が難しいですが、ニュアンスは理解してもらえると思います。) 地元密着型の工務店などは無垢材を使って、木の良さを味わえる家をアピールします。

無垢材が縮んだり、伸びたりすると、どういう影響があるの?と思う方もいるでしょう。

収縮によって板が反ったり、割れたりします。

縮もうとしている物をガッチリ動かないように固定してしまうと耐えられるうちは動かずにいられますが、耐えられなくなると負荷がかかっている部分がバチっと行くのは想像できますよね。

なので、無垢材を使う場合は固定しつつ、力が逃げるように考えてあげる必要があります。

コントロールが完全には効かないので無垢材は扱いにくいのですが、要所を掴んでいれば問題は起きにくいです。それでも想像を超えて動く事はあるので、そうしたら「ごめんなさい。」と謝るしかないんです。

というわけで、今日は無垢材と木質材料の違いについて考察しました。

 

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