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家具屋で働く双子のブログ
伐木してみて分かる大変さ。
先日、立っている木を切って倒しました。
それで、分かりました。
木を切って倒すのは大変だということを。
仕事で使う木はすでに板になっているものです。だから我々が木を切って倒す(伐倒)をすることはありません。家具を作っているからといって、木を伐倒できるわけではありません。
でも、この仕事に携わるようになって10年が経過して、ただ家具を作るだけではなく、”木と人をつなぐ”ということをしたいなと思うようになりました。なので、なるべく木に関わることは自分で経験したい思うようになりました。その一つが自分で木を切り倒すということです。
で、少しずつアンテナを拡げていく過程で木を倒す機会を得たわけです。
チャンスはそうあるものではないですからね。でも、いつか木を切り倒してみたいと考えていたので準備はしていました。業務で木を倒すには、チェーンソーによる伐木等の業務に係る特別教育というのを受けないと駄目と労働安全衛生法によって決められています。私の場合は、業務で伐木をする訳ではないので必ずしも必要ではありませんが、安全対策はしっかりと行いたいので、昨年の11月に3日間講習を受けにいきました。3日間みっちり講習を受けないといけないのはハードルが高いですが、それだけ危険度も高いという訳です。
今回倒す機会を得たのは、工房の道を挟んで向かいにある畑の脇に生えている直径30cmほどのヒノキです。足場も平らですし、道路側にさえ倒さなければ特に問題はないという伐木状況としてはそれほど難しいものではないと思います。だからこそ未経験の私にチャンスが回ってきたのです。ですが、このクラスの木を倒すのは初めてなので緊張はします。
指導してくれるのは、薪ストーブ仲間ですでにかなり困難な伐木も経験している人です。この方は無茶はやらず、とにかく安全第一の作業と装備をする方なので、信頼ができます。
伐木をする上で、チェーンソーを使って切る時間はわずかです。その前の準備と片付けに結構な時間が掛かります。これも実際にやってみるとよく分かりました。
今回は念のためロープを張って伐倒方向を間違えないようにしました。なので、倒す木にロープをかけることをしなければなりません。そのために邪魔な枝を切ります。なんとかロープをかけたらいよいよ伐倒です。
倒す方法に向けて慎重に受け口を作ります。慣れないうちはいきなり大きく切らないでまず、小さい受け口を作ってから拡げていって適切な大きさの受け口にする方が良いです。
受け口ができたら今度は追い口です。追い口が入ったらクサビを叩き込んで倒します。今回はロープを張っているのでロープを引っ張りながら倒していきます。かなりロープの力を借りてなんとか倒れました。
スパッと倒れませんでした。裂けそうになる木にベルトを巻いて防ぎます。
課題が残る伐木ではありましたが、なんとか倒れました。
倒れた後に枝を切り落とします。この作業が結構大変。簡単に見える作業であっても実際にやるとチェーンソーが挟まったして手間が掛かりました。
今回倒した木は薪にするだけなので、切りやすい高さで切っています。もし、この木を売るとなったら良い部分の長さを長くするためにもっと地面すれすれの出来るだけ低い位置で切らないと駄目です。低い位置で切るためには屈んでの作業になるので、もっと大変になると思います。
製材して板に使用する場合はこの状態で製材所まで運ぶ訳です。重いので回収するには重機が必要になってきます。今回は薪にするためにこの場で短く切ることができます。
林業は斜陽産業で、補助金なしではとてもやっていけないという話を聞きます。実際に原木市場に並ぶ原木の価格帯を知っているので、本当に大変なことが分かります。手間や危険度を考えると原木の価格はとても安いと思います。ですが、今の価格でも国産材は外国産木材に価格で勝てていません。
それでも生きていく上でやはり木は必要なものです。木材は外国から仕入れることも可能ですが、二酸化炭素を吸収して酸素を放出してくれる生きている木はココに生えていないといけません。そういった意味でも木や林業はとても大切です。
ソリウッドでは、国産材も外国産材も使用しています。ここ数年は国産材の使用も少し増えています。でも、国産材は供給量も品質も外国産材と比較すると安定していません。本当に小さな零細企業である我々の仕事量だけでも、国産広葉樹材で賄うのは決して簡単なことではありません。日本にない樹種もありますしね。ですが、木や森林の循環を考えると国産材の利用はとても価値があることです。
というわけで今日は、木を切ったよという話でした。
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