2014.09.20

isu-worksシリーズの椅子製作の現場を見てきました。

北海道へ行った話を続けていますが、今日のエントリーも北海道出張記です。今回の出張は、”どんな所どんな風に椅子の製作が行われているかを見てみたい”という欲求を果たすものでした。

1日目は木工作家・高橋三太郎さんの工房を訪れました。札幌からほど近い山の中にある工房は緑に囲まれた静かな場所で、製作やデザインに思いきっり打ち込める環境でした。本当に素晴らしい場所なんですが、三太郎さんが工房や自宅を建てる前はゴミが大量に蓄積されていたそうです。廃品回収業者が残していったゴミがそのまま残っていたのを処分して整備したとのことでした。三太郎さんの工房を訪れた際のことはこちらのブログエントリーをご覧ください。

2日目は材木店、つべつ木材工芸館、山上木工さんを訪問しました。1日目の夜に新千歳空港から女満別空港へ飛行機で飛び、レンタカーで北見へ行き宿泊しました。飛行機で1時間ぐらい掛かりました。北海道はやっぱり大きいですね。

3日目は、津別町に生えている樹齢1200年のミズナラを観に行きました。その後に世界遺産・知床に移動しました。知床の大自然を満喫した後に網走の町をチラッと見て、女満別空港から東京へ帰ってきました。

今日はisu-worksシリーズの椅子を製作している山上木工さんの工房を訪れた際の様子を書きます。山上木工さんは北見から車で30分ぐらいのところにある津別町にあります。山上木工さんは、NC工作機を数台保有しています。NC工作機とは機械制御された機械で、機械言語をプログラミングすれば自在に木材を加工する事ができます。こう書くと自動で加工してくれるから簡単に加工ができると思うかもしれませんが、NC工作機で自在に加工するためには相当な技術力を必要とします。ただ、プログラミングをすればそれで済むといったものではありません。山上木工さんでは、山上社長自ら機械を動かす事をして長年にわたって様々な加工をして技術力を磨いてきたそうです。

NC工作機というのはこんな感じの機械です。
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軸と呼ばれる部分の先に刃物などのツールを取り付けます。それらを事前に組んだプログラムによって動かします。NC工作機には様々な形のものがあります。基本的には軸と加工物を固定するテーブルで構成されています。ものによって軸の数が違ってきます。1軸のものからたくさん軸がついているものまで様々です。テーブルの大きさを加工物によって小さいテーブルのもの、大きいテーブルのものがあります。そして工作機本体の脇には操作盤がついています。この操作盤でプログラムを呼び出したりします。簡単なプログラムならこの操作盤で作る事もできます。

写真のNC工作機ではちょうどGENチェアの脚を加工していました。
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組んだ脚の部材をNC工作機で削って、ほぞの穴をあけたりしていきます。出来るところは機械で加工してなるべく効率よく製作することでコストダウンを図っています。もちろん、手作業でこうした部材をつくることも可能ですが膨大な時間が掛かってしまいます。部材の形を揃える事も難しくなります。NC工作機で加工することで精度を高めることも出来ます。こうしたNC工作機を使いこなす事で精度の高い木工品が購入しやすい価格で製作できるようになります。もちろん加工のすべてが自動的にNC工作機で出来る訳ではありません。細かい所は職人さんが削りだしたり、研磨したり手作業をして仕上げていきます。

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別のNC工作機ではLENチェアの加工が行われていました。こうしたジグを作って加工の精度を上げていく工夫がされています。工房内にはこうしたジグが所狭しとたくさん置かれていました。

NC工作機で加工された部材を組み立てるのは職人の手仕事になります。形が複雑な椅子などを自動で組み立てる事は困難です。やはり組み立てをするのは人間の手が優れています。

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ベテラン職人の横で若い女性職人がGシリーズの椅子を組み立てていました。はじめは部材の研磨などを担当して経験を積み、ここ1年半ぐらいは組み立てを任せてもらえるようになったそうです。1つ1つの椅子をとても丁寧に組み立ていたのが印象的でした。
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ベテランの職人さんと若手の職人さんがバランスよく、培った技術力が次の世代の職人伝わっていく環境が整っているように感じました。

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組み立て場の奥の棚には椅子ごとのジグや部材が並んでいました。椅子ひとつをつくり上げるためにはこうしたジグがいくつか必要になります。ジグを使うことで作業効率と作業精度が格段に向上します。そうしたモノづくりの基本がしっかりと守られている事がisu-worksシリーズの細部まで気配りがされている気持ち良い仕上がりに繋がっていると感じました。

瑞木@相模湖

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