2014.08.26

製作現場からみるオイル仕上げとウレタン塗装の違い

今年の1月に賢木@吉祥寺が書いたブログエントリー【最適な仕上げを選ぶために知っておくべきオイルとウレタンの違い】がここ最近になって多く方に読まれています。きっと検索エンジンの順位が上がったためだと思います。やはりオイルとウレタン塗装の違いについて気になっている方が多いというのが分かります。今日は少し視点を変えて製作現場からオイルとウレタン塗装の違いについて書いてみます。

まずはオイル仕上げから。オイル仕上げの基本は2回塗りです。リボス、オスモ、アウロ、プラネットカラーといった自然系オイルは2回塗りをするようにメーカーが推奨しています。塗装をする前に素地調整といって#320のサンドペーパーで木材の表面を磨きます。素地調整ができたら1回目のオイル塗りをします。
140826_5.jpg
1回目はオイルを充分に木部に浸透させる事が目的になります。刷毛にたっぷりオイルを染み込ませて塗り残しがないように塗っていきます。すぐに拭き取るのでムラは気にしなくて良いのでスピーディーに塗っていくのが上手くいくコツです。テーブルの場合は裏側から塗って、裏面にオイルを浸透させたらウエスで余分なオイルを丁寧に拭き取っていきます。拭き残しがあるとベタツキの要因になるのでしっかり拭き取ってください。最後にもう一度綺麗なウエスで拭き取ります。

オイル仕上げは拭き取るので、塗っていく時のムラに気を使う必要がないので初めての方でも綺麗に塗る事ができます。ただ1点オイルを塗る際に気をつけるのは木口です。木口にオイルが垂れるとそのあとが残ってしまう場合があります。そのため1番はじめに木口にオイルを塗ってしまうと良いです。その後も木口にオイルが垂れていないかを確認しながら塗っていきます。もし木口にオイルが垂れたらすぐにウエスで拭き取ってください。

1回目のオイルが塗り終わったら乾燥させます。条件がよければ塗って1日経てば乾きます。しかし、乾燥条件が悪いといつまで経っても乾きません。使用するオイルによって条件は違ってくると思います。ソリウッドで使用しているリボス社のアルドボスは湿度が高いとなかなか乾きません。梅雨時から夏場は特に注意が必要です。湿度が高い時期は、冷房が効いた部屋で乾かすようにしています。

オイルが乾いたら2回目のオイル塗りをします。まずは#320のサンドペーパーで表面のザラツキを取り除きます。オイルに含まれる水分で木の繊維が毛羽立ちます。それをサンドペーパーで取り除きます。毛羽立ちがなくなったら2回目のオイル塗りです。2回目は1回目と違ってオイルをたくさん含ませる必要がないので、ウエスでオイルを塗っていきます。
140826_3.jpg

140826_4.jpg
2回目も塗ったらすぐにウエスで拭き取ります。塗り残し、拭き残しがないように注意してすべて拭き取り終わったら終了です。2回目の塗装も1日ぐらい乾燥させます。2回目の方が乾きやすいので1回目ほど注意する必要はありませんが、やはり湿度が高い場合は冷房を入れた部屋で乾燥させます。

続いてウレタン塗装。ウレタン塗装はオイル仕上げと違ってガン吹きが基本になります。刷毛塗りも可能ですが、ソリウッドではガン吹きで塗装しています。
140826_1.jpg
ウレタン塗装は基本3回塗りです。素地調整は#240か#320のサンドペーパーでします。塗料の食いつきをよくするためにしっかりと素地調整する必要があります。オイルは1回目・2回目ともに同じ物を塗りますが、ウレタンはすべて違う塗料を重ねていきます。まずは下塗り。ムラがないように塗料を拭いたら乾燥させます。ウレタン塗料は比較的早く乾きます。30分もすれば触れるようになります。下塗りが乾いたらサンディングをします。
140826_2.jpg
#320のサンドペーパーで塗った塗料を平滑にしていきます。下塗りはかなりザラツキがあります。それをスベスベになるまで平滑にします。といって削りすぎると下地が出てきてしまうので適度に仕上げる必要があります。

2回目はサンディングシーラーという塗料を塗るのが一般的です。サンディングシーラーを塗ったら、下塗りと同じようにペーパーで平滑にしていきます。最後は上塗りです。上塗り塗料を塗ったらそれで終了です。ウレタン塗装の場合は塗料を平滑にするサンディング作業が重要です。しっかりとサンディングしてないと塗料の食いつきが悪くなります。しかし、やり過ぎると下地が出てきてしまいます。着色の場合はサンディングし過ぎると着色塗料が落ちてしまいます。さらにガン吹きに慣れる必要があります。うまく吹かないとすぐにムラができてしまいます。

という感じで製作現場からみるオイル仕上げとウレタン塗装の違いを紹介してみました。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest