2014.06.20

???な板を活かすには耳つきデスクが最適ではないだろうか?

材木市場に行ってみると様々な板や丸太が出品してあります。やはり1枚板テーブルになるような大きくて綺麗な木目をしている板が目玉ではあります。しかし、そうではない板や丸太もたくさん存在しているんですね。欠点を取り除くために短く(1500mmぐらい)に切られた板やいびつな形をした板、大きな節がある板、枝が折れた痕に水が溜まってそこから腐ってしまった板など一見使い途が無さそうな板があります。でもこうした板も使い方次第では十分に我々の生活に役立てることができます。その一例が”家族みんなのデスク”です。

“家族みんなのデスク”はW700〜1200mmぐらい、D500〜650mmぐらいの1枚板を天板にしたシンプルなデスクシリーズです。デスクは壁につけて使用する事が多いはずなので、1枚板の片側はストレートにカットしてしまいます。手前側にくる方は樹皮がついていた部分を残しておきます。樹皮がついていた部分の事を”耳”と呼んでいます。両側の”耳”がついている場合は両耳付き、片側のみ”耳”が残っている板は片耳つきと呼ばれています。”家族みんなのデスク”に使用する天板は片耳つきの1枚板になります。

では、どうしてこの”家族みんなのデスク”が使えなさそうな板を活かすことができるのか?

その要因はサイズと片耳であるということ。

“家族みんなのデスク”はリビングに置いて家族共有のスペースと位置づけて考えられています。そのため、リビングに置いても邪魔にならない程度の大きさでなければいけないのです。椅子がギリギリ入る大きさを考えるとW700ミリ以上はあった方が良いでしょう。でも長くてもW1200ミリぐらいには抑えておきたいです。それ以上長くなると使い勝手はよくなりますが、リビングの片隅に置いておくにはちょっと大きくなりすぎです。

丸太は、2mから3mの長さに切り落とされるのが普通です。丸太を切る時に1番良さそうな部分がちょうど良い長さになるように切ったりします。そうなると中途半端な長さが残ってしまうことがあります。そうした丸太も勿体ないから製材してなんとかお金に換えようと製材業者さんが頑張ってくれます。1m50cmぐらいしか長さがなくても、W1000ミリぐらいの天板を作る事は可能です。材木市場にはこのような通常の規格に当てはまらない板も並ぶ事があります。こうした板を仕入れて乾燥させれば、十分にデスク用天板になります。

広葉樹は時としてもの凄く複雑な形に成長する場合があります。そういう樹を製材すると良くいえば個性的な形、悪くいえば使い勝手の悪い形の板が生まれます。また枝分かれの部分なども複雑な形になります。
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材木市場で仕入れたトチ材です。どんな形の木だったのか分からないぐらい複雑な形をしています。それでもW1000×D550mmぐらいの天板は綺麗な形で採ることが出来そうです。切り落とした部分もなにかに流用することができそうです。(スツールの座面など…)

この板を加工すると
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こうなりました。両耳を残すとなるとちょっと使い勝手の悪そうな形ですが、スパッと片耳にしてしまえば十分に使える形になります。節やフケ、腐朽菌、割れと欠点のオンパレードな板ですが、かえって表情豊かで面白い表情になります。こういう板を見ると、改めて木目が通った綺麗な板だけが木ではなく、自然と闘った生き抜いた板もやっぱり美しいと感じます。

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これは10年以上前に仕入れてあったカバ材の板です。一見すると特に不都合がある板には見えません。しかし、この板は裏側に大きな割れがあります。かなり長い割れなので、長く使うとパックリ真っ二つに割れる可能性もあります。そこで深く割れが入っていない部分だけをデスクと使用することにしました。材木市場に出品されている板の多くは製材後時間が経っていない板です。製材直後は乾燥が進んでいないので、割れもネジレもなくとても綺麗な状態です。しかし、少し時間が経って乾燥が始まると割れが入る場合があります。この板ももしかすると後から割れが入ってしまったのかもしれません。

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削ってみるとこんな感じ。木裏に多少割れが残っていますが、木表の状態は良さそうです。厚みもあって存在感のあるデスクに仕上がりそうです。太いカバ材によく見られるギラギラした杢も少し入っています。塗装するともっと赤味が増してくると思います。

とこんな感じに???な板も使える部分を見極めて、しっかりと処置を施せばちゃんと使える板になります。形が整っていて、木目が綺麗で欠点のない木というのは、ごく僅かしかありません。昔はそういう木だけを使っていても数がたくさんありました。が、これから先はそう贅沢な使い方をしてばかりはいられません。だんだんと木が少なくなっている中で、適切な処置をすれば使える木はちゃんと使っていかなければいけません。そういう意味でも、”家族みんなのデスク”は現代的な木のデスクなのです。

本日、吉祥寺ショールームに届けた新作の”家族みんなのデスク”が2つあります。
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どちらも天板はトチ材です。上は脚がウォールナット材、下は脚がホワイトオーク材となっています。どちらも現品限りの1点モノです。サイズ、価格など気になる方は吉祥寺ショールームまでお問い合わせください。

瑞木@相模湖

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