2014.05.26

無垢板の価値ってどんな基準で決められてるの?

先日仕入れてきたウォールナットの耳つき板が3枚あります。

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だいたい同じ大きさの板です。こういった耳つきの板は、板の幅で値段が変わってきます。当然ですが、幅の広い板の方が高くなります。丸太の値段も直径でだいたいの値段が決まります。幅が広い板を採るには、太い丸太が必要になります。中身の見えない丸太で、中の様子を伺うには相当な経験が必要になります。丸太を買い付ける人達は経験によって、丸太を見る眼を養っていきます。太い丸太を購入して、中が節だらけやフケがあったりすると大きな損をする可能性があります。丸太を仕入れるのは博打のような要素が常につきまといます。そういった事もあって、ソリウッドの工房の規模では丸太で仕入れるには相当な覚悟が必要です。よって今は板の状態で仕入れる事が多くなっています。

話を元に戻します。この3枚のウォールナットの板、1番価値の高い板はどれだと思いますか?

どれも同じぐらいと考えますか?それとも確実に順番があると思いますか?

板としての価値はだいたい同じぐらいだと思います。でも、使い勝手の良い板という観点から見ると順位を付けることは可能です。木工という仕事についている方でも、作るものや考え方の違いで一様になるとは限りません。私なりの順位を発表します。

1番使い勝手の良い板は、1番下の板です。目立った欠点もありません。丸太の芯に近い板ではないので、使えないぐらいに大きく割れる事は少ないと思います。この板で1番評価出来るのは、そのカタチです。両側のラインが直線に近く、ちょと真ん中がくびれています。耳つきのテーブルにしたときに使い勝手の良い天板のカタチになる板です。ウォールナットは周辺部分が薄い色をしています。ウォールナット特有の濃い茶褐色はその内側にあります。色が薄い部分はシラタと呼んでいます。この板はそのシラタがあまりありません。特に上側のシラタの幅は狭いです。

2番目に使い勝手が良いのは、真ん中の板です。1番下の板に比べると若干カタチが悪いです。特に上の耳のラインが気になります。真ん中辺りが少し出っ張っています。耳つきテーブルにした時に、テーブル全長の真ん中辺りが膨らんでいると少し使い勝手が悪い形になってしまいます。ただ、下側のラインは真ん中がくびれた理想的なラインです。耳つきの2枚はぎのテーブルを製作する場合は下側の耳を使うことになるでしょう。また、シラタの幅が少し広いですね。

1番使い勝手の悪い板は、1番上の板です。左端に節が見えます。節があるために使い勝手が悪いと思った方もいるはずです。しかし、この節は板の端にあるので、取り除いても十分な長さが確保できます。そのためこの節は板の使い勝手には関係ありません。両耳のラインもほぼ直線なので、耳つきテーブルにしても良い形のテーブルになるはずです。ただ、シラタの幅が広いのが少し気になりますね。ウォールナットの人気の秘訣は濃い色にあります。やはり濃い色の部分が多い方が喜ばれるのではないでしょうか。真ん中の色が濃い部分は、とても良い木目をしています。耳の部分をカットして、真ん中の濃い色の部分だけを使うという選択肢も有力になります。

とこんな感じの順位付けになりました。後は乾燥後の状態で使用方法を決めます。乾燥中に大きく割れたりすると想定していた使用方法が出来なくなります。

今回のブログでは、普段我々がどういう視点で板を見ているのかを書いてみました。実際に無垢テーブルを購入する際に直接役立つ情報ではないかもしれません。でも、自然素材を我々の使い勝手がよいように生活に取り込むには適材適所を見極め無駄のないように使用する方法を考えているという事を知ってもらいたいと思って書きました。

瑞木@相模湖

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