2019.06.24

ウォールナットの木っ端で木の角皿を作ってみた!

※2019年6月24日改訂 : 内容の一部を変更しました。
※2017年10月19日 追記:関連するブログエントリーへのリンクを追加しました。

無垢材を使用してテーブルなどの家具を製作するとどうしても木っ端が残ってしまいます。モノづくりをする上では、材料のあまりが出てしまうのは仕方がない事でもあります。が、せっかく育った木を無駄にしてしまうのも惜しい訳です。そこで、それらの木っ端を使って木のスプーンや角皿を作ってみました。

木のお皿やお椀などは木工旋盤という機械を使用して製作されているものがほとんどです。木工旋盤は回転する軸に木材を固定して木材を回転させます。そこにバイトと呼ばれる刃物を当てて削っていきます。木工旋盤を利用すれば、あまり時間を掛けずにお皿やお椀の形にすることができます。シュルシュルと木を削っていく感触もよく、なかなか楽しい作業でもあります。

しかし、機械一式を揃えるとなるとそれなりにお金も掛かります。さらに木屑が飛び散るので場所にも気を使います。いろいろ考えると趣味としてやるには気軽というわけでもありません。木工旋盤を使用して木材を加工することを挽き物と呼んでいます。

挽き物とは別に刳り物というお皿やお椀もあります。刳り物は、木をノミで削って形にした物を指します。木工旋盤を使った挽き物に比べると、設備投資は少なくてすみますが作業時間は多く掛かります。体力的にも刳り物の方がパワーを使うので疲れます。深いお皿やお椀、大きなものを刳り物で作るのは大変ですが、小さいものならなんとかなります。今回は薄い角皿を刳り物で製作しました。

刳り物に必要な道具は内丸ノミです。
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スプーンなどある程度深く彫る場合は、首が曲がった曲がり内丸ノミを使うと便利です。内丸ノミには幅やアールの大きさがいろいろとあります。1番左のが、15mmの曲がり内丸ノミです。こちらは玄翁で叩くことが可能な柄がついています。真ん中は15mmの曲がり内丸ノミですが、アールが少し緩くなっています。これは彫刻刀タイプの柄がついているので、玄翁で叩くことはできません。右もこのタイプです。こちちは21mmの浅丸。さらにアールが緩くなっていて、首も曲がっていません。

スプーンのすくう部分は15mmぐらいの首が曲がったタイプが使いやすいと思います。皿など大きいものになれば、幅の広いノミの方が使い勝手がよくなります。

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初めのうちは首が曲がった方で好みの深さまで掘り進めます。仕上げは幅の広い首が真っ直ぐのノミでノミ痕を残していきます。ノミの幅、アールの大きさで痕の残り方が変わります。いろいろ試して自分の好みを見つけると良いでしょう。浅い皿を作る場合は、ノミを叩いて使うことはありません。深い物を作る場合は叩いて使った方が効率はよくなるでしょう。その辺も作る物によって柄のタイプを使い分けると良いです。

出来上がったのがこちら。
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ウォールナットは、色か濃い部分と薄い部分があります。日本では色の濃い部分のみを使用する慣習があるので、ウォールナット材は色が濃い茶色と思っている方が多いはすです。でも、丸太の外側は色の薄い部分があります。これはどのウォールナット材にもあります。色の薄い部分は省いて使うので、こうした色の薄い部分が入った板は木っ端としてあまります。でも単体として使うなら、かえって色の差があって面白くなります。ノミの痕を残すと木目が揺らいだようになって、平らに仕上げた場合とは違った表情になります。

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どんなノミ痕を残すか、いろいろ試行錯誤しながら彫っていくのは楽しいです。切れるノミならサクサクと彫ることができます。今回は裏面はカンナを使って仕上げています。が、裏もノミで削ってカタチにすることも可能です。ノミを使って削るだけならそれほど難しいことはありません。私も皿作りはほとんどやった事はありません。写真の角皿が人生で3作目と4作目です。意外と簡単にそれなりのカタチになります。売り物になるとかは別として、自分で使う分としては十分に満足しています。

仕上げには、昨日のブログにも登場したブッチャーブロックコンディショナーを使っています。漆仕上げは手軽にできるものではありませんが、オイル仕上げなら手軽にできます。荏胡麻油やオリーブオイルなどの食用油を代用することもできます。オイル仕上げは基本的に塗って拭き取るだけですから…

木の皿などを作ってみたいと思った方には、西川栄明氏の『手づくりする木の器』を読むことをオススメします。
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木工作家の作った木の器やカトラリーなどがたくさん掲載されています。木工作家が教える作り方も載っているので、とても参考になります。作品の取り扱い店のリストや木の器をつくるための木材が入手できるお店のリストも載っています。作り方には、たくさん写真が掲載されているのでどんな道具を使っているのかなどを知る事が可能です。

※追加
ここで取り上げているウォールナット材は様々な家具に使用されています。ソリウッドではウォールナット材を使って耳つきテーブル、ストレートカットテーブルを製作・販売しています。そんなウォールナット材のテーブルについてまとめたブログエントリーがありますので興味のある方はご覧ください。

ウォールナット材の無垢テーブル。【No.2073】

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