2014.04.28

導管を見ると木材を知ることができる。

木材には導管という組織があります。主に水分を通す役割を担っています。伐倒されて製材された板になってからも導管の存在は様々な事に影響しています。今日はその導管について書いていきます。

〇導管の大きさは樹種によって違う。

導管の大きさは樹種によって違います。特に太さに違いがあります。導管の太さは見た目にも影響してきます。導管が太い木材は、木目がハッキリと出る傾向にあります。逆に導管が細い木材の木目は曖昧でぼんやりしています。ソリウッドで扱っている材種で導管が比較的太いのが、ナラ・タモ・ニレ・ケヤキ・センといった木です。明るめの茶褐色をしている木がおおいですね。導管の細い樹種は、カエデ・トチ・カバなどです。白っぽい色をしている木が多いです。ウォールナットやチェリーの導管の太さは中ぐらいのレベルです。タモ・ナラに比べると細いけれども、カエデと比べると太いということになります。

導管の太さに関連して、環孔材と散孔材の違いについてもふれておきます。聞いた事のない言葉だと思います。が、環孔材と散孔材の違いを知っておくと、木材の見た目の違いや手触りを理解する上でとても役に立ちます。先ほど導管の太い樹種として挙げたナラ・タモ・ニレ・ケヤキ・センは環孔材です。環孔材とは、導管が年輪に沿って環状に並んでいる木材です。導管が規則的に並んでいます。環孔材の木は、木目がハッキリと現れます。

散孔材の導管は規則的に並んでいません。点々と導管が存在しています。環孔材の木目と比較すると、散孔材の木目は曖昧でハッキリしていません。線が曖昧でぼやけています。そのため、見た目では繊細で優しい感じがします。

〇手触りにも導管の太さが影響している。

樹種によってその手触り感も違ってきます。この違いの元が導管の太さです。テーブルなどの天板には、横にスライスされた導管が無数に存在しています。導管は中が空洞なので、スライスされた導管は凹んでいます。太い導管はその分凹みを大きくなるので、手で撫でると少し粗く感じます。逆に導管の細い樹種は凹みが少ないので、サラサラ・スベスベに感じます。カエデ材は特に導管が細いので触り心地はスベスベしています。

ということで、導管を実際に見てもらおうと吉祥寺ショールームにルーペを用意しました。ルーペで覗くと木材の導管の存在をよく見ることができます。よく注意して見ると導管の存在を見ることも可能ですが、ルーペの助けを借りると導管の様子がよく分かります。
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〇木口を見ると導管の輪切りが並んでいる。

木を途中で切った断面を木口と呼んでいます。テーブルの場合は短い方の横から見た際に見える面が木口です。ここを覗くと導管の輪切りを見る事ができます。環孔材の木材は年輪にそって導管が並んでいるのがわかります。散孔材の木材は導管がみにくいですが、細い管が点在しているのが見えるはずです。

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ホワイトオーク材は環孔材で導管の太い材です。ルーペで覗くと導管がスライスされて凹んでいるのが分かるはずです。木口を覗いてみると年輪に沿って規則正しく並ぶ導管を見る事ができます。

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ルーペでいろいろな樹種を覗いてみると、樹種ごとの違いを知る事ができます。木は我々の身近にある存在ですが、意外と知らないことが多いと思います。このブログを見ている方の中には、無垢材の家具を生活に取り入れようと考えている方も多いでしょう。そうした方にもより木材の事を知ってもらおうと思ってルーペを置いてみることにしました。吉祥寺ショールームに来て頂いた際にはちょっと覗いてみてください。

瑞木@相模湖

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