2014.04.21

木工教室基礎クラス始動。まずは道具の仕立てから…

木工教室基礎クラスの新しいクラスがスタートしました。ここ数年は4月と9月スタートで生徒さんを募集しています。

月1回で年12回、タモ材を使って課題の花台を製作します。はじめの回は工房の案内と木・木材の話・道具の仕立ての3本立てです。

工房の案内では、工房の設備や機械などを一通り説明していきます。木工教室の生徒さんが工房にある機械を使うことはありませんが、一応簡単に機械の役割を説明しています。木工機械の危険性についてを話しをしました。横切り機や昇降盤などは機械の後ろに立っていると刃に当たった木っ端が飛んでくる事があります。

木・木材の話では、木口・木端・木表・木裏・白太・導管・環孔材・散孔材といった我々がつい口にしてしまう専門用語を予め説明しました。ルーペで木口を覗いてもらい、導管の配列の違いなどを見てもらいました。木は我々の身近にある素材ではありますが、意外と詳しい事は知っていなかったりします。せっかく無垢材を扱う木工教室に参加して頂いているので、木工技術だけでなく木についてもいろいろと知ってもらいたいと思っています。

午後からは道具の仕立てをしました。購入して頂いたカンナやノミ・玄翁を仕立てていきます。大工道具の多くは買ってすぐには使えません。永く使えるように手を加えてあげる必要があります。刃も研がなくてはなりません。ただし、初めてカンナやノミを扱う生徒さんにいきなり刃物の研ぎをしてもらうのはちょっと無理があります。しばらくの間はスタッフが研いで、切れる刃物を体験してもらうようにしています。

玄翁もホームセンターで売られているのは、柄が既にすげられているものがほとんどです。しかし、本来は別々に売られているもので、自分の手で柄をすげるものです。大きめの柄を玄翁の穴に合わせて削って叩きこんでいきます。教室では、柄を削る所は事前にこちらでやっておいて、叩きこむところからやってもらっています。

次にカンナの仕込み。カンナも本来はやることがたくさんありますが、教室でやってもらうのは台頭の角を削って丸くしてもらう事です。カンナ刃を取り出す時は台頭の両角を交互に叩きます。角にしたまま、玄翁で叩くと台が割れてしまう可能性があるので、予め角を丸めておきます。

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続いてノミの仕込み。ノミはカツラを叩きこんで、柄の端をつぶしてカツラに覆い被さるようにしておきます。カツラの仕込みに関しては以前にこのブログに詳しく書いたのでそちらを参考にしてください。

買ってきたノミはカツラを仕込んでから使うのがgood!

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柄の端にカツラ(金属の輪) がはめ込んであります。カツラは柄が割れ崩れるのを防ぐためについています。カツラがない木製の柄を玄翁で叩いていたらすぐに潰れて割れてしまいます。ただ、購入時の状態のまま使っても不都合が出てきます。そのまま玄翁で叩いていると、カツラが潰れてきます。潰れてきた部分が柄を覆って押してしまいカツラがとれてしまいます。そのしないために、使い始める前にカツラを下げておく必要があります。カツラを下げて、余った柄の部分を叩きつぶしてカツラを覆うようにします。そうすれば、直接カツラを玄翁で叩くことがなくなりカツラが潰れるのを防ぐことができます。

カンナ台やノミの柄、玄翁の柄にはカシ材がよく使われます。カシは漢字で書くと樫です。木に堅いと書くだけに、非常に堅く丈夫な木です。それ故、日本では道具類に使われてきました。ただ、家具にはあまり使われていないですね。堅くて加工がしにくいのがその要因と思われます。

瑞木@相模湖

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