2013.11.24

なぜ水中から丸太が腐らず発見されるのか?

先日、ネットでこんな記事を見つけました。

丸太材:明石の海中で見つかる 「10世紀初頭に伐採の防波堤」 魚住泊は赤根川河口? /兵庫

兵庫県の明石市に流れている赤根川河口付近の海中で「10世紀初頭の可能性が高い丸太」が発見されたというニュースです。これが本当であるならば、約1000年以上前の木が発掘されたということになります。また、丸太に加工の跡が見受けられるため、当時あったとされる港の防波堤の基礎部分であったと推定できるようです。

1000年以上前の丸太が発見されるとは驚きですが、その丸太の写真を見るとさらに驚きます。

神戸新聞の記事には写真がでています。

どうですか?思った以上に丸太のカタチが残っていると思いませんか?断面には年輪がはっきりとみえています。ここである疑問が・・・・

千年以上も海中にあったのに、なぜ腐っていないのか?

木材は水に濡れると腐るというイメージをお持ちだと思います。でも、水中に浸かっている状態だと朽ち果てることはないんです。

では、木材が腐るというのはどういうことかみていこうと思います。木材が腐るのは水分が木材の細胞組織を壊していくというわけではなく、白ありや菌の繁殖によって細胞組織が食べられてしまうことにより、組織が崩壊していくということです。

そして、菌は、空気と湿気がある程度ある環境を好むとされています。そのため、空気が十分でない水の中では菌が繁殖しないので朽ちることがないということです。

そのため、古くから丸太を運ぶ際は、水路を利用したり、材木屋さんでは、木を海に浮かべて乾燥、保管していました。材木屋が集まる新木場でも以前は水に浮かぶ沢山の丸太が見られたようですが、現在はめっきり数が少なくなっています。

さて、水中や水の中の土砂に埋もれている材木が腐らないのは、わかりましたが、材木の中身に変化はないのでしょうか?

木材業界では、地殻変動や火山活動、水中の土砂の堆積によって、地中に埋もれ酸素が少ない状態で長い年月が経った木材には価値があるとされています。治水工事やダム工事などによって古くから地中に埋まっている材木が掘り出されることがしばしばあります。

一般的にはこれらの木材は埋もれ木または神代○○(○○の中には、樹種の名前がはいる。例えばケヤキの場合は、神代ケヤキと呼ばれる)と呼ばれています。通常の木材に比べ、木部の色味は灰褐色や茶褐色に変化していて、独特の趣がある材となります。

用途としては、テーブルや箱ものの家具に使われる他に、彫刻などのアート作品に使われることもあります。神代木の少し変わった使い方も紹介します。木工仲間であり家具工房クラフソンを主宰する谷口さんは、神代タモで「手作り創作仏壇」を製作されています。神代木で作られる仏壇は塗装では作り出せない自然な風合いで、静かに佇む雰囲気ある仏壇になります。

実は、吉祥寺ショールームでも神代センの1枚板の天板を展示販売しています。センの木は通常黄土色に近い褐色でありますが、こちらの神代木の天板はひと味違った茶褐色になっています。

神代センのテーブル天板

リビングに置くセンターテーブルなどに最適なサイズです。脚等はご相談に応じて製作しますので、お気軽にご相談にください。

賢木@吉祥寺

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