2013.11.19

割れが入った板をどう活かすかを考える

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ミズメの板、3枚。どの板も2分するような大きな割れが入っています。これらをどう活かすかを考えます。

ミズメはカバノキ科カバノキ属の樹です。色はマカバに似ていて赤褐色。辺材は黄褐色。心材と辺材の色の違いがハッキリしている樹です。マカバやダケカンバ
は日本の北の方によく生えていますが、ミズメは南日本を主な生殖地にしています。緻密な木目で非常にキレイな木目で私のお気に入りの材種の1つです。

ミズメはミズメザクラとも呼ばれています。これはカバ系の板をサクラと呼ぶ日本木材業界の古くからある慣習に基づいているものです。が、サクラの仲間ではありません。正式な樹の名前はミズメです。

木材市場で購入してきた板です。3枚セットで売りに出されていました。おそらく同じ丸太から採られた板です。購入時、板の様子から既に製材されてから時間が経っていると判断しました。そのため、すぐに人工乾燥庫に入れました。すでに入っている割れ以外、新たに入った割れはありません。乾燥もそれほど時間がかからずに含水率10%以下まで下がりました。

この3枚のミズメの板は割れを上手く除いて耳つき4枚はぎテーブルの天板を作る方向にしました。

真ん中の板は丸太の中心部分、芯をもっている板です。芯を持っている板は真ん中で割れます。これは木の構造上、仕方のない事です。どんな木でも中心部分は乾燥中に割れが入ります。このミズメの板も中心部分で割れています。そのため幅広くは使えません。真ん中で割って、耳つきテーブルの耳として使います。

残り2枚も板の中心部分に大きな割れが入っています。この割れを除いて使うとすると、幅が約230ミリ前後の板が採れます。

芯持ちの板の耳を両サイドに持っていき、2枚から採れた幅230ミリ前後の板をそれぞれ真ん中にして耳つき4枚はぎテーブルをなんとか製作できそうです。

しかし、かなりキツキツの木取りなので、もしかするとテーブル幅が800ミリを切ってしまうかもしれません。なんとか800ミリはキープしたいのですが…

サイズ的にお客様の要望に合わせて製作することが困難なため、出来る大きさで製作してしまってショールームに展示する天板にします。

大きな割れが入ってしまった板は幅広く使えないために使用されないことも多いです。しかし、上手に使えば立派なテーブル天板に化けることも多くあります。やはりキレイな板は天板として使いたいですから。
これは3枚の板もきっといい天板になるだろうと思って購入しました。

乾燥を終えて、実際によく見てみると細かい割れが入っていたり、想像以上に幅が採れない状態でした。いろいろ考えてみましたが、上記のような木取りならなんとかテーブルになりそうです。やはりこういう状態の板もなんとかしてキレイな天板に仕上げたい。そんな思いを込めて製作しようと思います。

製作する時期はいつになるか分かりませんが、仕上げた結果はブログに書きたいと思います。

瑞木@相模湖

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