2018.10.13

鉋や鑿の刃の研ぎ方は基本的には包丁研ぎと同じです。【No.2435】

包丁の研ぎを自分でやっている人はどのくらいいるのでしょうか?定期的にマメにしっかりと包丁研ぎをしている人は意外と少ないのではないかと思います。うちも毎日の料理は妻がやってくれているのですが、包丁は研げないようです。私に依頼してきます。といっても本当にたまに頼まれるだけで、本当はもっと研がないといけないと思います。でも、あまりに切れる包丁は使うのが怖いと言います。本来は切れない包丁を使う方が危ないのですが、切れすぎるのは怖い、かえって危ないと感じる人も多いようです。うちだけでなく、よその家庭でもこのような話を聞きます。

木工で使用する鉋や鑿も使っていると切れなくなるので砥石で研ぐ必要があります。切れない刃物ではうまく加工することはできません。料理は切れない包丁でも出来なくないですが、鉋や鑿は切れないと使い物にならないです。そういう点で包丁研ぎよりも鉋や鑿の研ぎの方がシビアな研ぎを要求されます。ですが、基本的な研ぎ方は同じです。正確に研げていなくても包丁の方が切れ味がよくなったと感じられるので、包丁研ぎは刃物の研ぎの入門にも適しています。

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切れなくなった包丁で新聞紙を切ってみたものです。切断面の繊維が毛羽立っているのが分かります。切れていない証拠ですね。

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こちらが研いだ直後に新聞紙を切ってみたものです。同じ包丁で同じ新聞紙を切っています。こちらの方は断面が毛羽立っていないですよね。スパッと切れているのが分かると思います。ちょっと包丁を研ぐだけでこれだけの違いがあります。刃物を研ぐのにはちょっとしたコツが必要ではありますが、誰にでもできる作業です。ぜひ習得してもらいたい技なんですが…

研ぎがうまくいくいかないの一つに砥石の平面出しがあります。砥石を平面にしておかないと刃が上手く研ぐことが出来ません。砥石は使っていくうちに減っていきます。特に真ん中あたりが凹んできます。その状態で使うと刃の形状もその形に習って変わってしまいます。そのため砥石の面は常に平面を保つようにしないといけません。普段、砥石を使っていない人はこの面直しが必要なことを知らないことが多いです。そこにプロとアマの差があると言う人もいます。

では、砥石の平面を出すにはどうすれば良いか?ネット検索すると色々とやり方が出てくると思いますが、私はダイヤモンド砥石を使って平面出しをしています。

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こんなものです。ダイヤモンド砥石にも粗さがいくつかありますが、私は#300を使っています。これで砥石の表面をこすれば、平面にすることができます。厳密に平面にするのは難しいかもしれませんが、刃物を研ぐのに十分なくらいには平面になりますので。3,000円くらいで購入できます。私はネットショップで購入していますが、ホームセンター等でも売っています。

中砥石、仕上げ砥石、ダイヤモンド砥石(平面出し用)があれば、バッチリ研ぐことができます。3つの砥石を揃えると5,000~10,000円くらいになるかなと思います。これを安いとみるか、高いとみるかは人によって違うでしょう。包丁を研ぎに出している場合、1本1,000円くらいはするはずなので何回か研げば元が取れます。砥石は減るといっても包丁を10~20回研いでも減る量はわずかですので全く問題ないです。通常の砥石の厚みであれば100回くらいは平気で研げるはずです。(実際はもっと研げそうですが…)

自分で研げるようになると包丁に対する愛着も湧いてくると思います。ちょっと良い包丁を買って永く使おうと言う気持ちにもさせてくれます。ぜひ、チャレンジして頂きたいものです。包丁の研ぎ方の具体的な説明はネット検索すれば動画やメーカーのサイトなど様々なものが出てくるのでそちらを参考にしてもらえれば問題ないかと思います。

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