2018.10.09

天然乾燥と人工乾燥のメリット、デメリット。【No.2431】

木材乾燥には天然乾燥と人工乾燥があります。どちらにもメリットデメリットがあります。基本的には天然乾燥と人工乾燥を組み合わせて乾燥させるのが一般的です。

天然乾燥のメリット
・初期投資が必要ない
・木材が持っている色や質を損なわないで乾燥できる
・どこでもできる

天然乾燥のデメリット
・乾燥するまでに時間が掛かる
・乾燥するまでの時間が読めない
・場所によって乾燥するしないがある
・含水率が人工乾燥ほど下がらない

人工乾燥のメリット
・乾燥するまでの時間が短い
・乾燥するまでの時間が読める
・含水率をしっかりと下げられる

人工乾燥のデメリット
・初期投資が必要
・乾燥庫を置く場所が必要
・木材が持っている色や質が損なわれることがある

こんな感じメリットデメリットをまとめることができます。天然乾燥だけでは乾燥が不十分なことがあります。なので基本的には人工乾燥をした方が安心して使用することができます。しかし、人工乾燥庫を導入するにはお金や場所が必要になります。人工乾燥庫は結構な価格がしますし、運用するのにも燃料が必要になったりで費用がかかります。維持費もバカになりません。なので、家具工房で人工乾燥庫を持っているところは珍しいです。ソリウッドでは長年、某メーカーの木材乾燥庫を使用していましたが、古くなったので新しい木材乾燥庫に入れ替えました。

新しい木材乾燥庫は遠赤外線を利用した乾燥庫です。本体が木造なのが特徴です。
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こちらが現在メインで使っている木材乾燥庫です。一見するとただの木の箱ですが、しっかりと木材を乾燥させる機能を持っています。

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もう一つの木材乾燥庫です。こちらの方が古く容量も小さいです。でも乾燥はしっかりとできます。どちらの乾燥庫も木造というのが特徴です。

従来の木材乾燥庫は鉄製のものが多いです。
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前に使用していた乾燥庫はこのように鉄製です。こちらの方が普及している形です。木材乾燥庫としてはかなり小型なものです。材木屋さんや大きな家具工場にはもっと大型の木材乾燥庫が設置されています。ボイラーで得た熱を利用して木材を乾燥させます。仕組みはそんなに複雑なものではありませんが、ボイラーの故障が頻繁に起こり維持費が結構かさみます。また、大型のファンが回って風を起こすので結構な音がしました。

新しく導入した木造の木材乾燥庫は、遠赤外線を利用した乾燥庫で庫内の温度も45℃くらいまでと低温で乾燥させます。電気で稼働するので音もしないし、設備の故障も今までに起っていません。遠赤外線効果で木材が乾燥するのかは色々と議論がありますが、ソリウッドの乾燥庫では間違いなく含水率が下がっています。時間は掛かりますが、うちの規模や使用量であれば何の問題もないと考えています。

人工乾燥庫のデメリットで挙げた、木材が持っている色や質を損なうことがあるという点ですが、ソリウッドの木材乾燥庫は低温で乾燥させるのでこの点はそこまで気になりません。ウォールナット材も乾燥させていますが、紫がかった綺麗な色は維持されています。そんなわけでソリウッドにとってはとても使い勝手の良い木材乾燥庫を手に入れることができました。

ソリウッドの木材乾燥庫は大きめの板の乾燥に使用しています。耳つき2枚はぎテーブルなどに使う耳つき板の乾燥がメインになっています。幅の狭い板に関しては、乾燥済みの木材を材木屋さんから仕入れて使用しています。材木屋さんから仕入れている木材に関しては乾燥方法までは詳しく分かりませんが、人工乾燥をしているものを仕入れています。北米産の木材は現地で乾燥させているケースが多いです。現地では大きい木材乾燥庫に入れて乾燥をしているはずです。日本よりも北米の方が乾燥しているので、北米産の板は含水率が低めです。

ソリウッドの木材乾燥庫でも含水率10%以下にすることが可能です。時間はかかりますが、入れておけば確実に含水率は下がります。ちょっと含水率が高い板は再度乾燥庫に入れることも可能なので便利です。

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