2018.08.14

木材は適材適所でいろいろな所に使われています。【No.2375】

我々の身近にある木ですが、意外と知らないことも多いと思います。日本は森林に囲まれた国で、ちょっと郊外に出れば山があります。山まで行かなくても公園にもたくさんの木が生えています。実際に生きてい木は、二酸化炭素を吸収して、酸素を放出しています。我々人間が生きていく上でも、木はとても重要な役割を果たしています。

そしてもう一つ大きな役割をしてくれているのが木材としての木です。木材もまた私たちの生活には欠かせない素材であって、木材を使わないで生活することは困難です。「そんなことないでしょ?」と思った方はよく考えてみてください。木材がなかったら木造住宅は作れません。マンションやビルが多くなっているとはいえ、以前として木造住宅は存在して、新築の木造住宅も多く建てられ続けています。コンクリートの建物であっても型枠に木材が使われることが多いです。

日本の森林は針葉樹が多いです。基本的に日本の林業は針葉樹をメインに扱ってきています。杉や檜が多いですね。杉や檜は住宅の構造材(柱や梁)として使われています。杉と檜を比べると杉の方がリーズナブルで檜は高級なイメージです。実際に木材としての価格も杉の方が檜よりも安いです。構造材は全て檜なんていう住宅は相当な高級住宅のイメージです。檜が高いのには訳があります。耐久性に優れているからです。柱はホワイトウッドの集成材が使われている家でも土台には檜が使われています。檜はシロアリへの耐久性があるので一番地面に近い土台によく使われています。昔は家の土台と言えばクリが使われていたようです。しかし、今では土台のクリの家はほとんどないようです。クリは耐久性、耐水性に優れています。土の中でも腐りにくい素材なのです。遺跡で昔の構造物に使われていた柱が発見されたりするのはクリ材が多いです。全てのクリ材が土の中でも腐らない訳ではないです。遺跡から発見される木材は偶然が重なって今でも形をとどめていたという感じでしょう。それでもクリは耐久性に優れていることが分かると思います。
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木材の性質は樹種によって、様々です。クリは耐久性に強いことから住宅の土台だけでなく、鉄道の枕木にも使われていました。現在ではクリ材の枕木がほとんど使われていないようです。それだけクリ材を確保するのが難しくなってきているからでしょう。現在、鉄道の枕木にケンパスという木材が使われているそうです。しかし、ケンパス材は防腐剤を注入することが前提みたいですね。クリの枕木には防腐剤が使われていないそうです。クリは防腐剤の浸透があまりしなく、防腐剤を注入しなくても高い耐久性があるからです。

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杉や檜は柱にもよく使われます。針葉樹は広葉樹に比べるとまっすぐに成長するので長くてまっすぐな材をとるのに適しています。二階建ての木造住宅に使われる柱は通し柱で6mくらいです。普通の柱で3mくらい。6mというと広葉樹材ではなかなか取れない長さです。広葉樹材は一般的に流通しているのは3m未満の長さです。それ以上長い材はカウンター用材としてありますが、長さに応じて価格も高くなっています。広葉樹材の場合は6m材は3m材の倍だから、価格も倍という訳にはいきません。何倍とはっきりと言えませんが、相当高くなります。あとそうした材も見つけるのも大変です。そう多くは流通していません。

広葉樹材は大きく枝別れすることが多いです。基本的に針葉樹はまっすぐに幹が伸びてそこから細い枝が生えています。しかし、広葉樹材はある程度の高さまで成長したら大きく枝分かれするのが普通です。木によっては根元に近い部分から枝分かれしているのもありますよね。ヨーロッパなどではそうした枝分かれをした部分を使って木製の船を作っていたようです。詳しい製造方法はわかりませんが、適材適所という良い例だと思います。

長さがとれない分、針葉樹に比べると広葉樹は丈夫です。針葉樹は柔らかい木材が樹種が多いですが、広葉樹は硬い樹種が多いです。なので、家具を作るのに向いています。欅(ケヤキ)は柱にも使われたりしますが、基本的には木造住宅の構造材に広葉樹が使われることは少ないです。総欅作りの家なんてのもありますが、とても高価になります。見栄えはしますが、そこまで丈夫にしなくても良いのではと思います。なので広葉樹材はもっぱら内装材として使われています。家具もそうですが、フローリングや棚板、窓枠などには広葉樹が使われることが多いです。

最近は杉の無垢材フローリングが使われるケースも増えています。今までは杉のフローリングは柔らかすぎて、すぐに傷だらけになることから敬遠されていました。けれども無垢材の温かみを感じられるフローリング材として杉もよく使われるようになってきました。価格も他の無垢材フローリングに比べるとリーズナブルな点もよく使われる要因だと思います。でも、傷やボコボコになるのが嫌な人は広葉樹材のフローリングにした方が良いです。もちろん広葉樹材のフローリングが傷がつかない訳ではないです。多少の傷はつきます。でも、杉などの針葉樹フローリングに比べたら傷はつきにくいです。

広葉樹は針葉樹に比べると硬いので家具にも向いています。逆に針葉樹材は家具にはあまり向いていません。柔らかいので強度を保つのが難しいです。広葉樹と同じ強度を求めるとかなり無骨な感じになってしまいます。なので同じように使うことはできません。針葉樹でテーブルや椅子を作れないかという相談も受けることがあります。が、基本的に向いていませんと答えています。我々も針葉樹で家具を作った経験がないので、ちょっと回答できない質問です。もちろん出来ないことはないと思いますが、我々のノウハウを活かすことは難しいので、針葉樹で家具を作ったことのある専門家に聞いた方がいいと思います。

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