2018.03.31

桜の季節だから木材利用されるサクラについて。【No.2239】

今日は現品販売用のテーブルを3台、吉祥寺ショップに運びました。写真は撮っているのですが、まだお見せできる状態ではないのでまたの機会に詳しく紹介することにします。ざっくりと説明すると、チェリー材の耳つきテーブル1台、クリ材の耳つきテーブル1台、ウォールナット材のストレートカットテーブル1台となっています。ストレートカットテーブルの現品は珍しいですが、ちょっとチャレンジ的な要素があるので現品販売用にしています。

さて、桜の季節です。東京ではもう散っているところもあるようですが、相模湖工房付近では今が満開です。なんかこれでもかってぐらい咲きますよね、桜の花は。なんか狂気に感じることもあります。それぐらい勢いがある咲き方をします。一般的にお花見をしている桜はソメイヨシノという品種で観賞用に開発された種類です。そのため木材利用されることはほとんどありません。ソメイヨシノをよく見ると複雑な形に成長していますよね。まっすぐに伸びているのはあまり見かけません。それに太くなっているのは中が空洞になっていることも多いです。そういった面で製材して板として使用するのには向いていない訳です。

日本で木材利用されている桜はヤマザクラという種類です。工房にも一本ヤマザクラの木が植わっています。このヤマザクラはまだ咲いていません。今日確認したところ、蕾は少し膨らんでいるのが分かりました。花が咲くのはもう少し先かなといった感じです。でも、確実に咲く方向に進んでいるのが分かります。このヤマザクラは白っぽい花が咲きます。桜と言えばピンクですが、ヤマザクラは白っぽい花をつけるようです。そして、花が咲くのとほぼ同時に葉も出てきます。なので、花だけを楽しめる日はわずかです。ソメイヨシノの場合は花が咲いてから葉が出るまで少し時間がありますよね。だからお花見ができる訳です。でも、工房のヤマザクラはあっという間に葉が出てきます。おそらくソメイヨシノは葉が出てくるのが遅くなるように改良されているのだと思います。

材としてのヤマザクラ材は非常に綺麗で良い材です。版画用の木としても知られています。浮世絵はサクラの木に彫られているそうです。堅くて粘りがあるので細かい彫りをするのに向いているみたいです。粘りがない木は細かい部分を彫るのは難しいので粘りがある木が好まれるんですね。

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以前に製作して納品したヤマザクラ材の耳つき3枚はぎテーブルです。ヤマザクラは荒々しい木目をしていてワイルドな印象がします。経年変化で色がだんだんと濃くなっていきます。本当はもっとヤマザクラ材のテーブルを製作して売りたいのですが、なかなか良質なヤマザクラ材が手に入りません。乾燥も難しい板で過去に未乾燥で仕入れたヤマザクラ材は乾燥中にたくさんの割れが入ったり、反ったり、捻れたりと使えなくなった板も数知れずです。一番悩ましいのが割れです。木口から割れが入るのはどの種類の木でも一緒です。しかし、ヤマザクラは全体的に割れがたくさん入る場合があります。バキバキに無数の割れが入ることもあります。それで使えなくなった板が結構あります。なので仕入れてもなかなかテーブルを製作できないのです。現在も乾燥中のヤマザクラ材があります。機会をみて乾燥庫に入れて仕上げの乾燥をしようと思います。うまく乾燥してくれるといいのですが…

というわけで今日は桜の季節にちなんで、木材利用されるサクラについて書きました。テーブルにはならない板で数枚幅も広くないヤマザクラの板が工房にあるので、カッティングボード的に使える板を時間がある時に作ろうかなと思っています。

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