2018.03.22

無垢材家具と突板家具【No.2230】

ソリウッドでは、無垢材家具を専門に扱い、相模湖工房では基本無垢材を加工することを前提に機械や道具が整備されています。木製家具には無垢材家具の他にも「突板家具」と評されるものがあります。数的には圧倒的に「突板家具」のほうが多いです。一見するとどこがどう違うのかわからないこともあります。そこで今日は「無垢材家具」と「突板家具」の特徴とそれぞれの利点欠点を整理してみます。

20180322 1

無垢材家具とは?

無垢材家具とは、「無垢材」を使って製作された家具のことです。「無垢材」の無垢とは「混じり気がない」といった意味で使われており、「無垢材」は「木」そのものということになります。森から切り出された丸太を製材してつくりだされる木の板が無垢材です。無垢材家具の魅力は、「木」そのものを使うことで得られる肌さわりを含めた質感の良さと長く使うことのできる丈夫さにあります。無垢材家具に使われる板は20〜40mm程度の厚みがあり、1枚1枚どっしりとした重量があります。完成した家具にも重厚感があります。一度購入したら、長い期間使うことができ、時間が経つにつれ自然な風合いがでてきます。

無垢材は天然素材であり、扱うには手間がかかります。製材された板をそのまま使うことはできず、まずはじっくりと乾燥をさせることが必要です。乾燥が不十分な板を使ってしまうと、製品完成後に大きく反ってしまったりすることが出てきてしまいます。また、家具の構造にも注意が必要で、無垢材は製品となったあとも湿気を吸ったりして、伸縮します。この伸縮を考慮しないでガチガチに固定してしまうと、反発して接合部分に割れが生じたりしてしまいます。無垢材は出来上がりの質感などはピカイチですが、扱うには経験と工夫が必要になります。

突板家具とは?

一方、突板家具は、芯材となる木質素材に1mm以下の薄い突板と呼ばれるシートを貼った部材で製作された家具です。突板は「つきいた」と読みます。突板自体は無垢材を薄くスライスしたものなので、天然素材にはなりますが、芯材にはベニヤやMDFと呼ばれる木材を砕いたものを接着して固めたものなどが使われていて、無垢材との違いは中と外で違う素材によって構成されているということになります。木質素材は、工業製品に近いので、反りなども出にくく加工もしやすいです。そのため、大量生産するには効率がよく、量産される家具のほとんどは突板を使っています。

無垢材家具のメリットとデメリット

すでにメリットについては、少し書きましたが、無垢材家具のメリットは、

・質感が良い

・重厚感がある

・丈夫で長く使える

・経年変化も味わえる

といった点です。反対にデメリットは、

・重い

・色や木目の出方にムラがある

・価格が高い

といった点です。無垢材は同じ樹種のものでも木目の出方や色はそれぞれ個体差があります。ですので、違った板をはぎ合わせたり、組んだりする場合、少し色味の違いがでることがあります。これは自然のものなので、コントロールすることは難しいのですが、全て同じ色のものがくると思っていたりすると、こんなはずではなかったということになってしまいます。また、先述した通り、無垢材を扱うには非常に手間がかかります。また、ある部材をとろうとした時に、節であったり、割れているところを避けて寸法とりをすることが多く、材の歩留まりが悪い素材です。そうした面からコストがかかり、結果的に製品の値段が高くなる傾向にあります。

突板家具のメリット・デメリット

一方、突板家具のメリットは以下になります。

・軽い

・デザインにバリエーションがある

・価格が安い傾向にある

突板の家具は、無垢材家具と比べると軽く、取り回しがしやすくなります。また、木の特性などを考慮する必要がなく、色々な形に加工がしやすいため、デザインにバリエーションが出てきます。突板であれば問題なく製作できるけど、無垢材だと実現できないといったデザインは多々あります。また、コスト面でも素材の扱いやすさと歩留まりの良さで無垢材家具と比較すると価格が安い傾向になります。

反対にデメリットは、

・質感に劣る

・木材の特性がでないものが多い

もともと、突板は無垢材のデメリットをなくすために開発されてきた経緯があるので、そのものデメリットというのはあまりありません。ですが、1mm以下にスライスされたシートですので、木が持つ本来の質感や肌さわり、経年変化といったものが失われていることが多々あります。

今日は無垢材家具と突板家具の違いについてまとめてみました。どちらにもメリット・デメリットがあり、それぞれの特性をよく見比べて判断するのがよいと思います。

180128_profil.jpg

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest