2017.10.22

共通点も多いウォールナット材とチェリー材【No.2079】

無垢材家具とは、無垢の板をそのまま使って製作した家具のことを指します。薄い板を何枚か重ね合わせた合板や木材を細かく砕いたものを接着して板状にしている木質系素材を使った家具との違いを表すためにもわざわざ無垢材という単語を入れているというところもあります。無垢材家具は、塗料による着色も出来ますが、木本来が持つ独特で自然の凄さを認識できる着色なしのほうがより自然に仕上がります。ですので、木が本来持つ個性がそのまま家具の表情に表れてきます。樹種の違いというところが重要な選択にもなります。

無垢材家具では、樹種を選んでオーダーするケースがほとんどだと思います。樹種選びは、少し知識があったほうが後悔のない選択を出来るかと思います。最近ではインターネットでそのへんの情報が沢山出ているので、参考にして頂ければと思います。今日のブログでは、無垢材家具の材料として比較的ラインナップされていて共通点も多いウォールナット材とチェリー材について書きます。

まずは、この2つの共通点ですが

北米産かつ散孔材

という点です。ウォールナット材は正式にはブラックウォールナット材といい、北米で算出されている木材です。日本でもサワグルミやオニグルミといったクルミ種の木がありますが、後述する通り、材の色が全然違います。ウォールナット材は濃い茶褐色をしており、日本で採れるクルミはもっと色が薄いです。チェリー材はブラックチェリーが正式名称でこちらもウォールナット材と同じ北米で採れる板を輸入してきているものです。チェリー材というと、日本では桜の木を想起すると思いますが、春にお花見をする桜の木とすこし違います。日本に多くあるソメイヨシノは園芸種で材木として伐採、製材されることはほとんどありませ。たまにヤマザクラという樹種の板が入荷することがありますが、こちらは山に元々はえている桜の木です。これもブラックチェリーとは少し違った木になります。ウォールナット材、チェリー材ともに散孔材として分類されています。散孔材とは、立木の状態で養分や水分を運ぶ導管と呼ばれる管が至るところに散らばっている材を指します。ウォールナットやチェリーはこの導管が細いので目視では確認出来ない程度です。オイル仕上げなど塗膜を作らない仕上げ方法で仕上げると、表面に導管の凹凸が出て来ないのでスベスベとした感触に仕上げることが出来ます。この他に、導管が年輪にそって規則正しく並んでいる環孔材というのものがありますが、これらは表面に導管がでてくるので微妙ではありますが、触ると凹凸を感じます。スベスベに仕上がる点はウォールナットやチェリーの人気を支えている一面でもあると思います。

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経年変化が起こる

木材は時間の経過とともに表面の色味が変わってくることがあります。これは紫外線など外部からの影響を受け変化するのですが、これを経年変化と呼んでいます。ウォールナット材、チェリー材ともにこの経年変化が比較的目に見える状態で表れます。ですが、色の変化は正反対です。ウォールナット材は完成した時が一番濃く、黒紫に近い褐色をしています。ところが、段々日が経つと、少し黒さが抜けてきて最終的にはやや赤味のある茶褐色に変化します。逆にチェリー材ははじめは薄いピンクがかった色味をしていますが、段々と濃くなり、濃いオレンジが強い茶褐色になります。経年変化の速度はチェリー材のほうが早く、出来てから半年もすると色の変化がみてとれます。

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この2つの樹種は人気もあり、定番としてラインナップしている家具屋さんも多いのでウォールナットとチェリーで悩む方も多いかと思います。材の硬さや強度などはほとんど変わらないと思って頂いて大丈夫です。最終的には色味がポイントとなると思います。現状だと価格面では少し差が出てきています。現在はウォールナット材の価格が高騰した状態が続いていますので、ウォールナット材のほうが高いです。チェリーも広葉樹の中で安い部類ではないと思いますがウォールナットと比べるとお得感があります。ソリウッドの場合、4人掛けのW1500のテーブルで2万円ほど価格差があります。

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