2017.06.26

いい機会なので将棋に使われている木材にも注目してみてください。【No.1961】

日本将棋連盟の棋士、藤井聡太四段が29連勝という新記録を達成しました。しかも、デビューから負けなしで達成です。今までの28連勝という記録も抜かれない記録と思われていたそうですが、それをデビューしたての中学生が破ってしまうのは凄いことです。数年前から将棋に興味を持って、スマートフォンのアプリで対局をしたり、ネットの将棋中継を観たりしていたので将棋については少し知識があります。(全然強くはない…) 確かにトップ棋士との対局が続いている訳ではありませんが、若手の実力派と呼ばれている人たちの対局はそこそこあります。やっぱり凄い記録だと思います。新記録を達成した本日の対局もネットTVで観戦していましたが、強さを感じる内容だったと思います。解説をしているプロ棋士たちもちょっと無理な攻めかなと思っていたが、それが繋がって勝ちに持っていくチカラを感じたと言っていました。30連勝を掛けた戦いも若手のホープと呼ばれている佐々木勇気五段との対局です。これも楽しみな対局。どこまで連勝が続くのか?楽しみです。

新記録が掛かった対局に使われていた将棋の駒はとても高級そうに見えました。プロの対局で使われいる駒なので、どれもそこそこ高級なものだろうと思いますが、今日使用されていたのは杢が入った綺麗な駒でした。恐らく材質は黄楊(ツゲ)だと思います。将棋の駒で1番良いのは黄楊材と言われています。東京の御蔵島や鹿児島の黄楊が最も高級とされています。黄楊はそんなに大きく成長する木ではないので、家具用材として製材されることはほとんどありません。通常の材木市場に出回る材ではないので私も実際に見たことはありません。写真で見る限り、木目がとても緻密で手触り感がとても良さそうです。散孔材で導管もとても狭いです。1度で良いから黄楊材の将棋駒で将棋を指してみたいです。手触り感もよくて指していて気持ちよさそうです。

黄楊以外に将棋駒に使われる材としてシャム黄楊やカエデなどです。シャム黄楊というのは東南アジア産の黄楊に似た木材で本物の黄楊ではありません。黄楊に似ている東南アジア産の木材なのでシャム黄楊という名前が付けられているようです。同じような木材にシャム柿が有ります。柿の木は丸太の中心が黒くなる場合があります。この黒い部分をクロ柿といって高級材として知られています。でそのクロガキに似ている木材としてシャム柿と名付けられて流通されています。ですが、シャム柿に至っては原産国は中南米。東南アジア産ではありません。

でもって黄楊はとても高いので普及品の将棋駒には使われません。比較的リーズナブルな価格で売られている木製の将棋駒はカエデ材で作られています。最近ではオノオレカンバ材も多く使われるようになってきました。どちらも硬くて耐久性に優れた木材です。この2樹種も散孔材で導管が狭いので手触り感はスベスベして気持ち良いです。オノオレカンバは漢字で書くと斧折樺。斧が折れるほど硬いという意味で付けられた名前だそうです。数年前にオノオレカンバ材でテーブルを製作しましたが、確かに硬かったです。でも赤味のあるとても綺麗な木目をしていました。ただ、文字を彫るのは大変そうです。

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残念ながら私が持っている将棋駒はプラスチック製です。木製の将棋駒が欲しいですが、最近はスマートフォンで対局することが多いので将棋駒の使用頻度はほとんどないのでもったいないかなと思っています。

ちなみに将棋盤にはカヤが使われています。カヤの将棋盤や碁盤は昔から高級品として知られています。現在では大きな将棋盤や碁盤を作ることができるカヤがほとんど取れないのでとても高価になっています。また将棋盤に横に置かれている駒台にはいろいろな木材が使われています。桑や黒柿といった高級材として知られる木材が使われていることが多いですね。藤井4段の快進撃のおかげで将棋がニュースに取り上げられることが格段に増えています。テレビ番組でも将棋の映像が流れているようなので、将棋に使われている木材にもぜひ目をやって欲しいと思っています。

というわけで、今日は話題になっている将棋の話をしてみました。

瑞木@相模湖

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