2017.05.28

接ぎ(はぎ)について【No.1932】

先日のブログエントリー「無垢材って何?【No.1929】」でも書きましたが、無垢材家具と呼ばれているものは複数の板を巾方向に接着して1枚の板として使うものが多いです。この巾方向に板をつなぎ合わせることを「接ぎ(はぎ)」といいます。今日はこの接ぎ(はぎ)についてみていきます。木材の板は、幅が広ければ広いほど価格が高くなる傾向にあります。1枚の板でダイニングテーブルとして十分な大きさの800mm〜900mmが取れる板はそれだけで価値も高まり、価格も高くなります。ソリウッドではこのような大きい板は積極的に仕入れていませんが、木材市場も競りでも幅が細いものと比べると、かなり高くなっています。今の状況だと、テーブルの販売価格としては40〜60万円ぐらいの価格感のものが多いです。もちろん、この価格よりも高くなる板やダイニングテーブルも沢山あります。1枚で十分な大きさのある板では、巾方向に板をつなぎあわせる必要はありません。

ソリウッドで最も多く在庫している耳つきテーブル用の板は幅が400〜600mmぐらいのものが最も多いです。材木市場でもこの程度の大きさのものを集めようとしています。これらの板はサイズ的に複数の板をつなぎ合わせることが必要になります。ソリウッドでは板を接ぐ必要がある場合は接着剤による接着をして接ぎ合わせています。

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こちらが板を接着させる工程の一場面です。

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板をまっすぐにカットした後に、接ぎ面に接着剤をしっかりと塗ります。接着剤を塗ったら、ハタガネという道具できつく締めます。樹皮の部分のカタチが残っている耳つきテーブルの場合は油圧式の接ぎ機を使うことが出来ないのでハタガネでしっかりと締める必要があります。強度のある接ぎをするには、いくつかのテクニックもありますが、接着剤も重要な要素になってきます。ソリウッドで使用している接着剤は、水性高分子イソシアート系と呼ばれる接着剤です。この種類の接着剤は接着力が強いのが特徴で、しっかりと接着をさせれば、木部よりも硬い結合が出来るとされています。ダイニングテーブルの場合、使用中に大きな力がかかることはあまりありませんが、接ぎ面がとれてしまうことはテーブルとしての機能が果たせなくなってしまうので、絶対に避けなければいけません。そのためにも接着面の強度は最も気をつけなくてはいけない点です。木部の接着に使う接着剤といえば木工用ボンドがあります。皆さんも工作などに使った経験があると思いますが、あの白い液状の接着剤です。これは酢酸ビニル樹脂エマルジョンタイプといって強度はあまり期待できない接着剤です。熱に弱いという点でも長く使うことを前提とした家具には向きません。

天板が複数の板で製作されていると強度面で心配される方もいらっしゃると思います。さきほどから書いている通り、強い接着剤を使用することと、接着剤の使う量を惜しまないこと、丁寧に作業することで半永久的な使用に耐える天板の製作が可能です。ですので、強度面では1枚板の天板と大差ないとお考え頂けます。

何枚の板を使うかによって、価格も変わってきます。ソリウッドのテーブルを例にすると、5〜6枚の板を接ぎ合わせるストレートカットテーブルテーブルは4人掛けのテーブルで15万〜20万程度の価格帯になります。一方、2〜3枚の板を接ぎ合わせて製作することの多い耳つきテーブルでは同じサイズで22万〜30万程度の価格帯になるものが多いです。はぎ枚数がすくなければより重厚感がでるような感じがします。

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今日はあまり聞き慣れない「接ぎ(はぎ)」について解説してみました。同じ木材のテーブルでも、突き板などを使った家具では接ぎ枚数などは気にされません。一方、接ぎ面が必ず表面に出てくる無垢材の家具では接ぎ枚数が見た目に与える印象を変えることがあります。

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