2017.05.22

乾燥したのを確認した板はどう使用するかを決めます。【No.1926】

ここ数日は暑い日が続いていますね。今日は外で作業をしていましたが、日向はとても暑くてなかなか厳しかったです。外で作業をするのには辛い季節になってきました。この時期はクマンバチが多くてちょっとびびります。クマンバチは毒が少ないので刺されても問題のないハチらしいですが、大きいのでその羽音にびびります。怖くないと分かっていてもびびってしまいます。クマンバチは枯れ枝などに巣を作るので木がたくさん置いてあるソリウッドの工房はクマンバチにとっては好みの場所らしくたくさんのクマンバチを見かけます。

さて、外で何の作業をしていたかと言うと…

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乾燥庫から出した板の含水率を計測したり、テーブル天板にする際にどの板のどの部分をどの板とはぎ合わせるかなどを検討しました。

含水率は木が乾燥したかどうかの指標です。目で見ただけでは乾燥がどのくらい進んでいるかを正確に測ることはできません。見た目でもおおよそ乾燥してそうくらいは分かるのでですが、それでは不十分です。材木市場で仕入れてきた板には識別番号がふってあります。ソリウッドではダイモでテープに数字やアルファベットを刻印してそのテープを木口にホチキス留めしています。このテープをホチキス留めするときはテープを真っ直ぐに伸ばして留めます。でも乾燥が進んで板が縮むとテープにたわみができます。このテープのたわみ具合でだいたい乾燥したかを判別する事も可能です。

しかし、やはりそれだけでは不十分なので木材水分計で含水率を計測しています。木口に近い部分や端の方は水分が抜けやすく、含水率が早い段階で低くなることがあります。そのため含水率を計測する箇所は複数箇所にしなければいけません。特に板の中心部分の含水率が重要になります。たまに片面は乾いていても逆の面はまだ水分が多く残っている場合もあります。なので、必ず板の表裏両面に水分計を当てて含水率を測っています。

どの地点でも含水率が10%以下になっていれば乾燥したと判断します。

乾燥した板はどう使うかを考えます。基本的には耳つきはぎテーブルにすることが多いので組みあわせを考えます。共木の板の場合は隣り合わせの板ならブックマッチではぎ合わせることが可能になります。ブックマッチ天板は木目と形がほぼ左右対称になるのが特徴です。ブックマッチではぎ合わせる事が出来る板は限られているのでブックマッチができる時は基本的にブックマッチではぎ合わせるようにしています。

耳つき板は長辺のエッジが直線ではないので、形が1枚1枚異なります。あまりに変形なテーブル天板は使い勝手が悪くなってしまいます。使い勝手は良く、なおかつ自然が作りだしたラインを堪能できる耳つきテーブルになるように木取りをします。

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コブが付いているカバ材の板。こうした板は木取りにとても悩みます。コブの部分を残すとちょっと使い勝手が悪くなりそうです。さらに言うとコブを残したままだとはぎ合わせなど製作する上でも不都合が生じてきます。まだ悩んでいますがこの板は耳をカットしてしまって耳がない2枚はぎブックマッチ天板にしようかなと思っています。コブの部分も魅力ではありますが、形が悪いのも良くないですからね。それよりもこの板の少し変わった木目を楽しんでもらえるような木取りをした方が良いかなと考えています。どうなるかはお楽しみに。

はぎテーブルの場合はどんな板をどう組みあわせるかで天板のカタチや表情が決まります。1枚板テーブルの場合は選択の余地がありませんが、はぎテーブルの場合は製作者のセンスも問われます。ここがはぎテーブルを製作する醍醐味でもあるのです。ああでもない、こうでもないと思案しながら決めていきます。

瑞木@相模湖

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