2016.10.27

家族で意見がわかれがちなテーブルの仕上げ【No.1719】

昨日は家族で意見がわかれがちなテーブル天板のカタチと題して、耳つきテーブルとストレートカットテーブルの違いをまとめました。今日のブログエントリーでは、その第2弾として、無垢材テーブルの仕上げについて、オイル仕上げとウレタン塗装の違いについてまとめてみます。

まずは、オイル仕上げとウレタン塗装のそれぞれの特徴を明確にします。下の写真は一枚の板に半分づつオイルとウレタンで塗り分けたものです。

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オイルは植物性のオイルを主原料とした塗料で、木の内部に染み込ませて木部表面を保護する仕上げです。一方、ウレタンはウレタン樹脂(プラスチック)の薄い塗膜で木部を覆い仕上げる塗装です。

この2つの仕上げ方法の主な違いは見た目と触り心地、お手入れといったところです。オイルで仕上げた天板は半ツヤで、スベスベでしっとり感のはる肌触りになります。一方、ウレタンはやや光沢のある見た目で、触り心地はツルツルでのぺーっとした感じになります。ウレタン塗装というと、テカテカに光った民芸調のテーブルなどを思い浮かべる方もいらっしゃると思います。しかし、今ではウレタンを薄く塗ることが可能で、艶もさほどでません。パッと見ただけではオイル仕上げとクリアウレタン塗装の区別がつかない場合もあります。

市販されている多くの家具にはウレタン塗装が施されています。多くの方に家庭にもウレタンで仕上げた家具もあると思います。オイル仕上げは無垢材専門の仕上げ方法ともいえます。ごく薄い突き板を呼ばれる薄いシートではオイルで仕上げた自然な質感というものがなかなかでません。

次にお手入れ方法についてみていきます。

オイル仕上げのテーブルは先述した通り、植物性のオイルを染み込ませただけの仕上げになります。そのため、水にはあまり強くありません。頻繁に水で拭いているとオイルが徐々に抜けてきて、肌触りが当初のスベスベからかさついたような状態になってきます。これは木部が劣化してきたから起こる現象ではなく、単に表面の木部が毛羽立ってきているからと説明がつきます。

また、底が濡れたコップやお皿をしばらく放置しておくと、コップやお皿の跡がつくことがあります。これが輪染みです。輪染みが出来てしまうと、拭いたりしたぐらいでは目立たなくなったりはしません。輪染みを目立たなくするには紙ヤスリで軽く削り、その上からオイルを塗るという補修を行います。こうすれば、一般の方がやってもかなりキレイになります。

一方、ウレタン塗装の場合は、オイルほど日常の使用に関して気を使う必要はありません。水拭きも出来ます。普段は特にメンテナンス作業をする必要がないので、メンテナンスフリーともいえるかもしれません。ですが、ウレタン塗装にもデメリットと捉えられる点もあるので、注意が必要です。ウレタンの場合、15年ぐらい使い込んでくると、ウレタン部分が摩耗して塗装面が剥げてきてしまうことがあります。こういった現象はウレタン部分の劣化が大きな要因です。こうなってしまうと、ご家庭での補修は難しいです。この状態を直すには工房に持って帰って機械でウレタンをキレイにはがしてから、再度塗装をすることになります。再塗装を施せば、ほぼ新品同様に戻りますが、時間と費用がかかってしまいます。

ソリウッドでは、一般の家庭にお届けするダイニングテーブルがほとんですが、ご注文の9割以上の方がオイル仕上げを選択されています。オイル仕上げを選択しているご家庭でもメンテナンスについては多少の程度差があるものの、悩まれていたり、家族の間で意見が分かれてしまうことがあります。その1つの要因としてあげられのが、

オイルのメンテナンスは誰がやるの?

といった不安です。テーブルの上などを日常的に拭くのであればさほど問題はないですが、メンテナンスとなるとちょっと躊躇してしまう方もいらっしゃると思います。紙ヤスリを使うので、日用大工の部類になるかもしれません。ですので、家庭の中では男性の方の役割になるかもしれません。ですが、実際のオイルメンテナンスはさほど力が必要なわけではありません。そこで、オススメはお子様と一緒にメンテナンス作業をすることです。親子で一緒に作業することで、モノをいたわりながら大切に使うことや補修をしながら長く使うことなどを教えてあげる機会になるかと考えています。

賢木@吉祥寺

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