2016.10.21

欠点がある板も割れてしまった板も、適材適所に最大限利用することが大事です。【No.1713】

工房で使用している1台のパソコンをついに買い換えるということでいろいろと調べています。いま使用しているのが辛うじて生きている感じなので上手く移行できるか不安でいました。なにしろ外付けのHDDをUSBで接続してくれないのでバックアップデータが取れません…不安ではありますが、とりあえず新しいのを買ってしまえというわけで、ネットで注文しちゃいました。スペック的にはそれほど良いものが必要な訳ではないので、在庫のあるモデルを選択しました。するとすぐ届くんですね。しばらく放置しておこうかなと思っていましたが、届いてしまうと開けたくなるのが人間の性。とりあえず開けて接続してポチポチと移行作業をしています。懸念事項もいくつかクリアできて、前が開けた感じです。あとはNCとの接続が上手くいけば… しかし、デジタル機器は進歩が早くてついていくのが大変です。10年経つとスペックからデザインやら操作方法などガラリと変わってしまいます。その点、無垢材家具は大きな変化がなくて良いです。10年経って、テーブルが全く使えなくなったなんてことはないですからね。そう考えるとコストパフォーマンスは良いです。パソコンなどはいくらお金を出しても10年後には使えなくなっている可能性が高いですからね。

さて、そんな中吉祥寺ショールームに展示するための耳つきテーブル用天板の加工も進めています。今日は乾燥庫から取り出した板の木取りをしておおまかにカットする作業をしました。とりあえず2台分を終えました。

161021_1.jpg
クリの板です。乾燥庫から出すとこうした染みがついていることが多いです。乾燥中に外にでた水分でこうした染みができるのだと思います。色が濃くない樹種の場合はこうした染みが結構目立ちます。染みで出かたがなかなか綺麗なのでとりあえず写真を撮ってみました。こうした染みは削ってしまえば取れてしまいます。ごくごく表面だけについている染みなので平面を出すために削ってしまえば綺麗になくなります。

このクリの板はなかなかにワイルドでこんな部分もついています。
161021_2.jpg
枝分かれしている部分の樹皮になにかの根っこがついています。どんな様子だったのかいまいちよく分かりませんが、板にするとなんだかよく分からない部分が時々あって面白いです。この部分を残して製品するのは無理なのが残念ですが、こういう部分を見つけるのは楽しいですね。

紹介したクリの板は少し小さめの耳つき2枚はぎテーブル天板にする予定です。まだ削っていないのでどんな木目が現れるか確定していませんが、見る限りでは素朴で良い木目なのではないかと感じています。

このクリの板もそうですが、少し使いにくい部分がついています。枝分かれしている直前の部分なので、割れが入ったり節があったりと欠点も多いです。でも、そういたった部分をカットしてしまえば他の部分はなんともなっていません。小さめのテーブルなら問題無くできる場合も多いんですね。幸いソリウッドに来るお客様は小さめの無垢材テーブルを求めている方も多いです。そういった方に提案できる板も用意しておければ、購入して頂ける可能性はありますからね。なので、欠点があって長く使えなそうな板も仕入れています。使える部分は無駄なく使うことができれば木を有効に使用したと言えます。

161021_3.jpg
こちらはチェリー材の板。割れが入っているためにカスガイが打ち込まれています。このカスガイは材木屋さんが打っておいてくれたものです。金属製のカスガイが打ってあっても割れが進むケースもあります。正直に言うと、カスガイはそれほど意味がないんじゃないかと思っています。割れる時はカスガイを拡げるぐらいの力はあります。まあ、ないよりはマシですが。

上の写真をよく見てもらうとこの板が年輪の中心をもっていることが分かります。中心を持っている板のことを”芯もち”と呼んでいます。芯持ちの板は注意が必要です。なぜなら、かなりの確率で大きく割れたり、V字に反ったりするからです。中心を持っているということは、その丸太から製材できる最大幅の板になります。幅広くとれるので、それを活かしたいですね。でも、芯持ちの板はそれができないと想定しておいた方が良いです。まれに割れたり、反ったりしないケースもありますが、多くの場合は割れたり、反ります。仕入れる際はこのことを頭に入れておかなければいけません。製材したばかりの板の場合は芯持ちであってもまだ割れたり、反ったりしていない場合もあります。が、乾燥が進むと割れます。

このチェリー材は両木口から割れが40cmほど入っています。なので、真ん中で割って使うことにします。芯持ち材は中心に近いので、耳が立っています。耳が立っていると耳つきテーブル天板としては使いやすいです。なので、耳つきテーブルの耳つき板として使用します。間に幅の広めの板を入れて3枚はぎテーブルしたり、もう少し幅が狭い板を入れて4~5枚はぎテーブルにしたりします。この板はそれを想定して仕入れています。

無垢の板は、欠点のない板の方が少ないです。でも、欠点を活かしたり、省いたりして使えるところを大事に使っていくことが大切だと考えています。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest