2016.07.28

耳つきテーブルの耳の向き【No.1628】

耳つきテーブルはその名の通り木の「耳」の部分が残っている(ついている)天板に脚がついているテーブルを指します。木の「耳」とは樹皮があった部分を指します。パンの耳と同じような感じと思って頂ければ、イメージもつきやすかと思います。この耳の部分は、製材されたばかりの板には樹皮がそのままくっついています。ただし、乾燥をする工程で樹皮が残っていると虫がつきやすくなるので、なるべく早い段階で樹皮をとっておきます。

耳つき天板を製作する際に耳の向きをどのようにするかでそのテーブルの全体の印象が変わってきますので、耳の向きは重要な要素になってきます。耳つきテーブルの耳をどのような向きで使うかは以下3つのパターンがあります。製材された板には表と裏が一応存在しています。丸太であったときに樹皮に近い方を表とし、「木表(きおもて)」、樹皮から遠い方を裏とし「木裏(きうら)」と呼んでいます。板によっては木表には節がないけど、木裏には節があるといったことも出てきます。特に耳つきの場合は、耳の部分のカタチに影響してきて、見た目や機能面にも多少影響が出てきます。耳の出方は3つのパターンになります。

1. テーブルの断面図が上辺が短い台形(木表が上)

耳がついている板の2枚をともに木表が天板の上にくるようにした場合、木口は上辺が短い台形になります。これは通常、木表のほうが木裏より木部の幅が短くなるためです。上からみると、樹皮があった部分が見えるようになります。板の傾斜によっては、がっつりと耳の部分が見えるものもあります。木表を使った耳つき天板で、耳の傾斜がかなりついているとテーブルの全体幅に対して、モノを置く部分としては使えない耳の分だけテーブルとして機能する実効幅が少なくなります。板によって5〜10cmほど実効幅少ないことがあります。テーブルを置くスペースに余裕がある場合は特に問題はありませんが、置くスペースがギリギリといった場合は、テーブルとして使える幅にも注意が必要です。

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以前納品させて頂いたウォールナット材の耳2枚はぎテーブルです。耳が見えたほうが好みというお客様の要望に応じて、2枚の板ともに耳が上に向く木表を上にしています。この程度の傾斜であれば、機能面でも問題なく使えます。

2. テーブルの断面図が上辺が長い台形(木裏が上)

上で紹介したものと板の表裏を反対にしたものです。つまり、耳がついている2枚が両方とも木裏が天板の表面にきているものです。長辺側の横や上から見たときには耳の傾斜によって、耳の部分が目立たない印象になります。両方とも木表が上で耳が見えているものに比べると、全体の印象はよりシャープになります。

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こちらは2枚ともに木裏を上にした耳つき2枚はぎテーブルです。耳の自然なカーブが強調されるファルムになります。耳の傾斜が強いと脚の位置が通常よりもやや内に入る場合があります。

3. テーブルの断面図が平行四辺形(ブックマッチ天板)

片側の耳つき板は木表、もう片側の耳つき板は木裏にして接ぎ合わせると断面図は平行四辺形のようなカタチになります。通常の耳つき天板だと耳の方向はどちらかに統一するのが普通ですが、同じ丸太からとれた隣り合わせの板で2枚はぎ天板を作る際には、本を開いた状態のように接ぎ合わせることがあります。他のもので例えるならアジの開きになります。家具業界ではこのような天板はブックマッチと呼びます。ブックマッチの天板は2つの板で同じような木目がでるのが特徴で左右対称に近い模様になります。

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シュリザクラのブックマッチ天板です。木口を見て頂くと左側が耳が上に向いていて、右側が耳が下に向いているのがわかると思います。

このような耳の向きについて、テーブルの強度などに影響することはありません。あくまでもデザイン面など見た目の問題だと思って頂いて問題ありません。好みに応じて選んで耳つき天板を選んでみてください。

賢木@吉祥寺

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