2016.02.24

木製楽器「ジャンベ」って知っていますか?【No.1473】

突然ですが、「ジャンベ」ってご存知ですか?

名前は聞いたことはなくても実物をみたことがある方は多いのではないでしょうか?私もそんな1人で最近ジャンベを習っている方の話を聞いて、ああ、あれねと思いました。

ジャンベとはアフリカ発祥の打楽器で、円柱状の切り抜かれた木材に羊の皮が張られているものです。胴体部分を横からみると、上部はテーパーがかかってあり、下部は上部より細い円柱で下にいくによって太くなっています。演奏する際は、地面において、やや角度をつけて股にはさむようにして固定して手で羊の皮部分を叩いて音を出します。本体にストラップをつけて、立って演奏をすることもあるそうです。

もともとは、ギニアが発祥とされ、今では西アフリカ一帯に広まっています。ギニア以外では、セネガル、コートジボワール、マリといった国で伝統的に演奏されているようです。

ジャンベを習い始めた方の話によるとジャンベに使われている木はアフリカ産のもので、日本で販売されているジャンベもアフリカから輸入された木材と使って製作されているものがほとんどだそうです。さらに、日本産の木材を使うとジャンベ本来の音が出ないと聞いたそうです。

私にとっては興味深い話でした。ジャンベの音自体はよくわかりませんが、木材によって音が違うということはあるだろうなと思いました。そこで「ジャンベ」に使われている木材について調べてみました。

「ジャンベ」について書かれているウェブサイトによると「レンゲ」、「アカジュ」、「ベン」、「メリナ」、「イロコ」などが使われているとあります。やはり、聞いたことがない木材の名前がいくつかありました。「ジャンベ」として使われる木材で最もメジャーなのは、「レンゲ」という木材だそうです。「レンゲ」材について詳細な情報を入手することが出来なかったのですが、赤茶褐色をしている木材で弾力性に富んでいるそうです。

ここに挙げたなかでいると「アカジュ」と「イロコ」については聞いたことがある木材です。「アカジュ」は「アフリカンマホガニー」という名前で流通していることもあります。「アフリカンマホガニー」はソリウッドでもテーブルを製作したことがあります。

アカジュは「赤樹」からきているという説もあるように、材の色味は、赤茶褐色をしています。

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上の画像は以前吉祥寺ショールームに展示していたアフリカンマホガニー材のテーブルです。日本に生育している樹木ではなかなか見られない色味をしています。赤道に近いアフリカや東南アジアではこのマホガニーのように赤味が強い木材がとれます。

「イロコ」については、実際に使ったことはありません。アフリカ原産の材の特徴ともいえる樹高が高く、幅を1メートルを超える大木です。「アフリカンマホガニー」に比べると赤味は少なく黄褐色の色味をしています。木目の感じがチーク材と似ているので、家具にもよく使われている木です。アフリカ材としては比較的柔らかい部類の木材なので、彫刻の材料として使われることも多いようです。

アフリカ産の木では、ブビンガ、パドック、ウエンジ、サペリといった木材が日本でも流通しています。いずれも大きな樹木なので、1枚板のテーブル天板や飲食店のカウンターなど大きな板が必要な場合に用いることが多いです。また、いずれも比重が0.65〜0.9ぐらいと非常に高く、密度が高いのも特徴です。比重が高いと必然的に重く硬い材質になります。「ジャンベ」に使われている木材についても詳細はわからない部分がありますが、おそらく同じように比重が高くがっしりとした木材だと考えられます。そのため、日本国内でとれる材とは違った音が出るのだと思います。

日本でも和太鼓といった伝統的な打楽器があります。「ジャンベ」も日本でいうと太鼓の一種だと思います。和太鼓には「ケヤキ」材が伝統的に使われています。おそらく和太鼓を「ジャンベ」に使われているアフリカ産の木材で使うとまた違った音がするのだと思います。今回、「ジャンベ」の話を聞いて、伝統的な楽器といった文化の根底にはその地方でとれる木材が大きく影響していることを改めて実感しました。

賢木@吉祥寺

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