2016.02.23

乾燥させる前に仕入れた板のサイズと状態をチェックしておきます。【No.1472】

今日は先日の材木市場で仕入れてきた板の検寸と撮影をしました。地味な作業ですが、結構体力のいる過酷な作業です。無垢材を使用した家具は重いとよく言われます。まあ確かに重いですが、乾燥した木材はたいぶ軽くなっています。水分をたくさん含んだ木材はズシリと重いんですよ。乾燥前と乾燥後で重量を計測したことがないのでなんとも言えませんが、体感ではかなり違って感じます。なかなか言葉で表すのは難しいですが、”ああ、水分いっぱい含んでいるなあ”という感じがします、未乾燥材は。強いて言えば洗濯して脱水していな状態の衣服の感じですかね。脱水して乾燥した衣服は軽いじゃないですか、でも脱水していな衣服はズシリと重いですよね。乾燥した板と未乾燥の板の重さの関係もそんな感じです。

なので、未乾燥の板を動かすのは体力がいるんですね。撮影をするときには木表と木裏の両方を撮影します。なので、1度板をひっくり返す必要があります。大きくて重い板になるとそれが大変。今回は、長さ2800mm幅700mm厚さ65mm程度のカバ材がいくつかありました。これをひっくり返すのがひと苦労。全身を使って持ち上げました!

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フォークリフトを使っているので板を動かすのは楽です。しかし、写真を撮るために立てるとなると力が入ります。この板はかなり気合いを入れてなんとか立てることができました。どうですかね、50kgぐらいはあると思います。もっとあるかな…

とにかく水分をタップリと含んだ木材は想像以上に重いんです。含水率を計測してみると50%ぐらいでした。最終的にテーブル天板などに加工するときは含水率10%程度まで乾燥させます。なので現時点から比べるとだいぶ軽くなっています。それでもそれなりに重さはありますが…乾燥させることで軽くもなるんです。

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今回はこんな感じの変わりタネのカバ材を仕入れてみました。瘤をもっているカバ材です。瘤以外にもちょっと腐朽菌が入っていたりと複雑な事情があったような板です。まあ、それがイイ感じになっているので面白い天板になるのではないかなと考えています。何事も無く素直に育った板もいいですが、こうして変化にとんだ板も面白くて良いと思います。

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これもカバ材です。こちらはもう素直にスクスクと育った感じがしますでしょ。同じカバ材でも育った環境で全然違うんですね。こういう所も木材の面白い所です。無垢材を扱っているといろいろな板に出会えます。それが本当に面白いです。だから無垢材を扱いたいと思っています。合板に使われているツキ板(0.6mm程度にスライスされたもの)は素直に育ったエリート木材から作られています。丸太の等級で1番良いものはツキ板クラスと呼ばれています。真っ直ぐで節がない丸太ですね。ツキ板にはならないような丸太を製材して使っているのが無垢材です。だから無垢材は表情が豊かなんですね。いろいろな表情の板があります。それらをまとめて使用しています。

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今回仕入れた板の中にミズメ材がありました。昨日のブログでチラッと触れました。弓の素材に使われていた梓(あずさ)という木、これがミズメです。梓=ミズメなんです。木って同じものでも違う名前があって少し複雑ですね。ミズメは私が1番好きな木材です。木目が美しいです。ミズメ材を仕入れると自然と撮影にも時間が掛かります。気に入った部分の写真をたくさん撮るからです。

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今回仕入れたミズメ材は1つの丸太から製材された6枚の板です。同じ丸太から製材された板は共木(ともぎ)と呼ばれています。これらのミズメ材は割れが結構入っていて幅広く使える部分が少ないです。使える部分を集めてなんとか耳つきテーブル天板にしようと考えています。まあ、まずは乾燥をさせてみないとなんとも言えませんが…

材木市場で仕入れた耳つきテーブル用の板は、このようにまず検寸と撮影をします。その際に樹皮も剥がしておきます。樹皮を付けたままにしておくと樹皮と木部の間を虫が喰い散らかしてしまいます。そうならないために早めに樹皮を剥がしておく必要があります。検寸と撮影が済んだ板はしばらく外で乾燥をさせます。空気に触れさせて自然と水分を抜いていくことを天然乾燥と言います。天然乾燥を半年から1年ほどしてから人工乾燥庫に入れて乾燥の仕上げをします。テーブルにするために加工するのはその後の話になります。

瑞木@相模湖

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