2015.11.20

木材乾燥から行なう耳つきテーブルのメリット。【No.1377】

錆びだらけになってしまったとある部品をリニューアルしようとして、とりあえず磨いてみました。まずは元の状態をみてもらいましょう。

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見事に錆びています。すでに20年以上経っているのでこんな状態です。元の色とか分からないですね。

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磨いたらこんな感じになりました。だいぶスッキリしました。まだ若干錆びが残っていますが、綺麗になりました。とりあえずこのままでも良さそうですが、ペンキを塗ってみる予定です。

使用したのはワイヤーブラシです。カップ状になったワイヤーブラシをグラインダーや電動ドライバーの先につけて磨きました。面白いように錆びが落ちるので結構楽しかったです。家具製作にもワイヤーブラシを使うことがあるので、工房にあったカップ状のワイヤーブラシを使いました。さて、何にワイヤーブラシを使っているでしょうか?

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正解は、耳つきテーブルの耳掃除です。耳は樹皮がついていた部分です。樹皮を取り除いた状態でも汚れや薄皮がたくさん残っています。それらを綺麗にするためにワイヤーブラシを使用しています。ワイヤーブラシを使用して磨くとツルツルになり過ぎず自然な感じで仕上がります。

前置きが長くなりましたが、はじめに紹介した部品は木材乾燥庫の一部です。ソリウッドの相模湖工房にずっと設置してあった小型の木材乾燥庫を新しくすることにしました。ソリウッドは木材乾燥から自前でやるという行程を行っています。木材を使用するためには乾燥をしないといけません。通常、家具工房は乾燥済みの木材を材木屋さんから仕入れて製作します。大規模な家具工場は木材乾燥庫を自前で持っていて、木材乾燥から行っています。しかし、最近では木材乾燥庫を撤去して木材乾燥をやめる家具工場が多いと聞いています。

ソリウッドでは環境に優しい次世代型の木材乾燥庫を導入して運用しています。ソリウッドの工房規模で自前の木材乾燥庫をもっている所はとても少ないと思います。試しに無垢材を使用している工房のWebサイトやブログを調べてみてみると分かると思います。木材乾燥の事に触れている所は少ないです。私はこのブログでも木材乾燥についていろいろ書いています。

木材乾燥庫があると、乾燥していない板を仕入れる事ができます。板は乾燥中に割れたり、捻れたりします。木材を乾燥させる割れが生じるのは仕方ないことです。どんなに乾燥方法でも割れを根本的に防ぐ方法はありません。割れが入ると板の価値が下がってしまいます。せっかく無節の大きな板があっても、真ん中にとても大きい割れが入ってしまえばどうしても価格は下がります。木材乾燥にはこうしたリスクがあるんです。そのため、材木屋さんから乾燥済みの板を購入する場合は板の価格には割れるリスクが含まれています。

材木市場などで未乾燥材を仕入れて自前で乾燥をさせてしまえば板に掛かるコストを下げることができます。また、材木屋さんが持っていないような板を仕入れて使用するメリットもあります。自ら材木市場に足を運べば、自分たちの好みの板を仕入れることができます。

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例えばこうした板。入り皮がたくさん入っています。こうした板は材木屋さんが持っていることは少ないです。こうした個性的な板を在庫している材木屋さんって意外と少ないんです。やっぱり無節で綺麗な板を購入するお客さんが多いので、在庫も綺麗な板が多くなります。でも、材木市場にはこうした板が結構並んでいます。そういう板を仕入れてテーブル天板にするのが家具工房の腕の見せ所だと考えています。これからも格好良くて個性的な耳つきテーブルを製作していきたいなと考えています。もちろん、木材乾燥からおこなって。

瑞木@相模湖

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