2015.10.25

テーブルの裏をみれば作り手の想いがわかる【No.1351】

いまでは、無垢材テーブルをメインに扱うお店が増えました。工房やショップを経営する上では、それだけ競合が多いということですから厳しいわけですが、その分、無垢材テーブルの良さや魅力をわかって頂く機会が増えるのは良いかなと思っています。選ぶ側にとっては選択肢が増えるので、どこがどう違うのかを見極める必要が出てきます。

皆さんは店頭などでテーブルを見るとき、どこを注意して見ますか?

テーブル天板のデザイン、脚のデザイン、木目の出方といったところでしょうか?

もちろん、これらは正解であり、多くの方が気にしている項目だと思います。ですが、ストレートカットテーブルのように四角く、樹種を決めて、サイズオーダーで製作するテーブルは必然的にどの家具屋さんや家具工房でも一見すると似てきます。もちろん、天板や脚のデザイン、木目の出方などに違いがありますが、区別がつかないといったこともあります。

では、どこを見ればいいのか?そのテーブルの真の質がわかるところがあります。

それは、「テーブル天板の裏側」です。

実は、天板の裏側が作り手の違いが最もでるところだからです。天板の裏側なんて脚がついているだけじゃないの?と思うかもしれませんが、無垢材のテーブルに限ってはそうとは言い切れないところがあります。それは作り手やデザインをした人の想いや長く使うための工夫が施されている場合が多いです。

天板の裏側をみるポイントは3つあります。

天板と脚がどのようについているか?

天板の反りに対する対策がどのようにされているか?

天板裏の仕上げはどのようにされているか?

まずは、テーブル天板と脚がどのようについているかをみます。大きくわけると、ほぞ組みなどで直接、接着させているものと金具を介して取り付けているものの2つになります。ほぞとは木工の基本的な接続方法で、一方に穴をあけ、もう一方の端には、穴に入るような突起をつくりはめ込みます。ダイニングテーブルの場合、このほぞ組みを使うことはほとんどありません。ほぞで接着してしまうと天板と脚を外すことが出来ません。そのため、搬入などを考えるとあまり適した方法ではありません。また、無垢材の場合、伸縮する性質があるため、徐々に隙間ができてしまいぐらつきの原因になることも考えれます。

もう1つの金具を介して取り付ける方法が今では主流です。ですが、そのやり方は様々で、メーカーによって採用している方法はまちまちです。ソリウッドでは、プレート付けという方法を用いています。脚にボルトを通すために必要な穴があいた金属製のプレートを木ネジでとりつけます。天板の裏にはこのプレートが納まるサイズの溝を掘り込み、鬼目ナットといわれるメスのネジを埋め込んでおきます。あとは、このプレートをボルトで固定します。この方法の一番のメリットは、4個以上のボルトで締めることができる点です。プレート付け以外の方法ですと、1、2カ所をボルトでとめるもの、脚の先端にねじ状の突起がついていて直接脚をねじ込むものなどがありますが、締める箇所少ないと徐々に緩んできてテーブルのガタつきの原因にもなります。プレート付けですとこのような心配がありません。

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さらに、様々なデザインの脚に対応できるという点もメリットです。ソリウッドの定番の4つのデザインの脚すべてプレート付けですし、それ以外のI字型の脚や丸い脚などでもこの方法が使えます。

プレート付けのデメリットを挙げるとすると、見た目の問題かなと思います。天板の裏を除くと、金属製のプレートがみえることになります。せっかくの無垢材なので、金属を使わないほうがいいと考える方もいらっしゃると思います。理想としてはそうだと思いますが、先ほども述べたように、伝統的な方法がベストというわけではありません。見た目の問題より搬入のし易さ、何度でも取り外しが出来るなど使い勝手を重視したほうがよいという判断をしています。

あとの2つについては、また別の機会にしたいと思います。

賢木@吉祥寺

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