2015.10.20

耳つきテーブルに使う樹種の一言解説。その2 【No.1346】

昨日のブログエントリーでは耳つきテーブルに使用される樹種3つを取り上げて一言解説をしました。今日はその続きを書く事にします。まだ昨日のエントリーをご覧になっていない方はこちらから読んでみてください。昨日のエントリーではトチ材・ケヤキ材・クリ材を取り上げました。この3樹種は国産材が多い樹種になります。トチ材・ケヤキ材はほぼ間違いなく国産材です。クリ材に関しては海外のものも入ってきているので必ずしも国産材とは言い切れませんが、日本のクリ材も多く流通しています。ただ、幅の広い板に関してはだいぶ数が減ってきているようです。

今日取り上げる樹種のトップバッターはカバ材です。カバ材は材木業界での扱いが少し酷く残念な取り扱い方がされてきていましたが、材そのものはとても良いです。”カバザクラ”という言葉を聞いたことがあると思います。しかし、実際に”カバザクラ”という名前の木がある訳ではありません。”カバザクラ”という言葉は材木業界での造語です。サクラという響きが日本人にはとても受けが良いようで、サクラ材に似ているカバ材を”カバザクラ”と名付けて売ったところよく売れたのが”カバザクラ”という言葉が定着した要因だそうです。単に”サクラ材”という場合は実際には”カバ材”であることがよくありました。というわけでサクラ材の代替え材としてカバ材が使われるようになってしまったため、”カバ材”そのものの価値が低く見られるようになってしまいました。でも、カバ材は堅さもあり、狂いもそれほど大きくないので家具に使うのにとても適した木材です。カバの仲間はとても多く、まとめてカバ材と呼んでいますが、カバ材の中でも別格扱いされているのが、ウダイカンバ材です。ウダイカンバは通称”マカバ”(漢字で書くと真樺)と呼ばれています。ウダイカンバ材の特色は色です。中心部分が赤くとても綺麗な色をしています。ソリウッドでもウダイカンバ材を使用した耳つきテーブルを何台か製作してきました。とてもお客様に喜ばれていました。でも、流通量が少なくなかなか仕入れることができません。

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ウダイカンバ以外のカバ材は”雑カバ”と呼ばれています。”雑カバ”のなかでは、ダケカンバという木がよく使われています。ダケカンバ材はウダイカンバ材のように赤っぽい色をしていません。心材が黄土色っぽい色をしています。白い部分が多いものもあります。

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木目の雰囲気はウダイカンバ材と違いはあまりありませんが、色が違います。ダケカンバ材の方は赤さがなく黄色と茶色の間みたいな色をしています。色以外ではそんなに違いはありません。

イタヤカエデ材も耳つきテーブル用の板がそこそこ出回っています。ソリウッドでも多くのイタヤカエデで耳つきテーブルを製作してきました。イタヤカエデは外国産のカエデ(北米産のメープル材)に比べると木目が緻密で変化のある表情をしています。色にも少し違いがあります。イタヤカエデの心材は肌色のような色をしています。白っぽい部分もメープル材に比べるとすこし黄味が強くなります。また、耳の部分がゴツゴツしてワイルドな印象になることが多いです。

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イタヤカエデもメープル材同様に堅くて重いです。乾燥中の材の動きが大きいため、幅広く使うことが難しくなることが多いです。4枚はぎくらいでテーブルにするのがちょうどよいかもしれません。幅広い材でも乾燥中に真ん中からV字に反ることがよくあります。そうなると厚みをキープすることができないので、真ん中でカットしてしまいます。そうすれば厚みを厚めに仕上げることができるようになります。現在吉祥寺ショールームに展示しているイタヤカエデ材の耳つき4枚はぎテーブルも2枚の幅広い板をカットしてからはぎ合わました。

以上、耳つきテーブルによく使われる樹種の一言解説でした。一連のブログエントリーで解説しなかった材も時々入荷します。それらについてはその都度紹介、解説するようにします。

瑞木@相模湖

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