2015.09.21

ラグビー日本代表”ブレイブブロッサムズ”にちなんでサクラ材を解説します。【No.1317】

ラグビーW杯での日本代表の大金星に感動しました。ネットでこの試合のハイライトを何度も見ていました。何度見ても感動します。ラグビーの試合を観る事が好きです。大学時代が1番熱中していましたが、いまでも興味はあります。もちろん、この日も試合があることは分かっていましたが、夜遅いのと相手が南アフリカということでボロボロに負けるであろうと思ってしまったので、寝てしまいました。朝起きて、結果を知ってとっても驚きました。ハイライト映像見て涙がでてきてしまいましたよ。

ラグビー日本代表は”ブレイブブロッサムズ”という愛称で呼ばれています。これは日本代表が着ているラグビージャージに桜のエンブレムがついていることが元になっています。日本語だと”勇敢な桜の戦士たち”と表現される事が多いです。そのまま”チェリーブロッサムズ”と呼ぶ場合もあるようです。桜は日本を代表する花ということでラグビー日本代表は胸のエンブレムに桜を選んだのでしょう。

無垢材家具でよく使われる桜は、国産のヤマザクラ材と北米産のブラックチェリー材です。カバザクラという言葉を聞いた事があるかもしれません。言葉を聞いただけでは、サクラの仲間だと思ってしまいますよね。でも、実際はカバ材のことをカバザクラと呼んでいるに過ぎません。カバとサクラは色や木目が似ているとされて、サクラの代替えとしてカバが使われる事が多くありました。そして、このカバ材のイメージをよくするためにカバザクラと呼び始めたのが定着したようです。

木材ではカバの事をサクラと呼ぶことがありますが、樹皮になるとまったく逆になります。秋田県角館に伝わる伝統工芸に”樺細工”というものがあります。樹皮を利用して様々な品を製作する伝統工芸です。樹皮が貼られた茶筒などをみたことがあると思います。この”樺細工”に使われている樹皮はカバの樹皮だと思ってしまいますが、実はヤマザクラの樹皮が使われています。カバの樹皮も使われているのかは思いきや、使われているのはヤマザクラの樹皮だけだそうです。

なんだか不思議ですよね。

先ほども言いましたが、カバ材とサクラ材の色や木目が似ていると言われています。しかし、実際はそんなに似ているとは思いません。確かに色が似ている個体もありますが、大部分のカバ材とサクラ材は言うほど似ていないと思っています。どちらにも良い所があります。木目自体はサクラ材よりもカバ材の方が綺麗だと私は思っています。カバ材の方が繊細な印象があります。色はサクラ材の方に分があると感じています。製作した時にはピンク色っぽいオレンジ色をしていますが、空気に触れることで段々と色が濃くなっていきます。最終的には艶のある焦げ茶色になります。カバ材はカバの種類によって色も違います。多く供給されているダケカンバ材は白太は黄褐色、赤身は薄い茶褐色をしています。貴重なウダイカンバ材は赤身の色が赤褐色をしています。この赤褐色のカバ材はサクラ材とは少し違う雰囲気です。赤身の濃いウダイカンバ材の色はサクラ材をしのぐかもしれません。

さてサクラ材ですが、国産のヤマザクラ材と北米産のブラックチェリー材でも外見の違いがあります。この2種は生物学上同じ仲間に属しているので、色や木目は似ています。ヤマザクラ材の方がワイルドの印象を受けます。チャリー材に比べるとやや木目が粗く、大胆に感じます。チェリー材の方が大人しくて繊細な印象を受けます。

現在、ヤマザクラ材の流通はとても少なく良質な板を入手するのは困難になっています。国産材はヤマザクラ材に限らず、どの樹種もだんだんと手に入れるのが難しくなっている印象です。ヤマザクラ材で耳つきテーブルを製作したい気持ちはありますが、肝心の材が手に入りません。また、ヤマザクラ材は乾燥がとても難しい樹種です。乾燥中に大きくねじる傾向があります。特に目が粗いヤマザクラ材は大きくねじれます。目が詰まっているヤマザクラ材の方がねじれにくいですが、そんな材は今ではほとんど見掛けません。うーん…

チェリー材は良質な木材をまだまだ手にする事ができます。製材されて日本に入って来る材も製材されずに丸太のまま来るのもそこそこの量があります。いつでも入手できる訳ではありませんが、比較的入手はしやすいです。ソリウッドではチェリーの耳つき板の在庫が豊富にあります。多くは材木市場で購入した材です。現在、天然乾燥中のものが多いですが、乾燥がすでに終わった材もいくつかあります。

チェリー材は1枚板でテーブルになる幅の板がほとんどありません。そんなに太く成長しない木なんです。なので、チェリー材の1枚板テーブルを探すのは現実的ではありません。2枚はぎにできる幅の板はそれなり存在するので、はぎテーブルを探すのが賢明です。

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チェリー材は木目も繊細で、だんだんと色が濃くなっていく楽しみがあります。耳つきでもストレートカットでもテーブルとして楽しむ事ができる樹種です。なのでとってもオススメな樹種です。

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ラグビー日本代表”ブレイブブロッサムズ”のW杯での活躍、期待しています。

瑞木@相模湖

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